人はなぜ「また値上げ」でも「マクドナルド」に行くのか

ハンバーガーチェーン「マクドナルド」が再び値上げする。
今回の値上げは過去3年で6度目となる。
・「ハンバーガー」170円→190円
・「チーズバーガー」200円→220円
・「チキンマックナゲット 5ピース」260円→290円
・「マックフライポテト S」190円→200円(税込み/店舗によって異なる)
といった価格改定と同時に、
・「マックフライポテト」M・Lサイズの期間限定特別価格での販売
・「ハンバーガー」とサイドメニュー、ドリンクMのセットを500円で発売
・人気メニューを100円で購入できるクーポンを公式アプリ上で日替わりで配信
することなども発表。
メニュー全体の価格が、割高な価格で品質にこだわりが強い「モスバーガー」や「バーガーキング」と同じ水準になりつつあるという声も出ているが…。
外食チェーン関係者は、
「今回の値上げで目立った客離れは起きないだろう。マクドナルドの真の価値は別のところにある」
との見方を示している。
東京未来倶楽部(株)代表の江間正和氏は語る。
「値上げは公式の発表にあるとおり『昨今のエネルギーコスト、物流費、人件費の上昇を受けてのもの』ということなので、仕方ないと思います。競合するモスバーガーも3月に入って値上げをしています。クーポンの配信やセットの復活は、単なる値上げだけだと印象が悪いので、少しでもイメージを和らげるためのバーター企画でしょう」
「かつての『ハンバーガー』が59円や100円で買えた時代を知っている人は、随分高くなったというイメージを持つでしょうが、それでも相対的には安いと思える範疇に落ち着いていると思います」
「ただし、最近の値上げにより24年12月期決算では売上高・営業利益ともに過去最高となっており、お客さんに対して値上げの説得力が薄れてしまうかもしれません。あわせて賃金や初任給の引き上げも発表されていますので、人手不足といわれるなか、値上げによって得られる利益は人材確保や待遇改善に有効利用されていくのではないでしょうか」
「マクドナルドの価値はそのブランド力、イメージです」
「マックといえば『駅近くにあって、店内が広いので席が多く、お店の人からあまり干渉されずに長居しやすく、安くて、空いた時間にちょっと使える手軽なお店』といったイメージを持っている人が多いと思います」
「最近の値上げによって『安い』という部分が薄れつつありますが、そうはいっても同業他社や街場の飲食店に比べると、まだ安いですし、立地や広さ、メニュー内容など、やはり気軽に利用できるお店だと思います」
「これがマックの価値でありブランド力だと思いますので、業界全体の中で『そこそこ安い』というポジションをキープできれば、お客さんは利用することでしょう」
“そこそこ安い”という判断はお客がするもの。
今後はどこまで許されるかを値上げしながら探っていくのではないかとのことだ。
外食チェーン関係者は語る。
「同一の店舗内で幅広い世代のお客が混在して、それぞれが好きなように時間を過ごしている店というのは、意外になかったりします」
「お金がない学生であれば330円でドリンクとハンバーガーを食べることができ、よほど長居しなければスタッフから退店を促されることもありませんし、頻繁に投入される各種期間限定商品も魅力的なものが多いです。」
「して店内は適度にガヤガヤしているので、気を遣うことなく、おしゃべりできる雰囲気も備わっています。こうした光景にこそマクドナルドの価値が隠れているのかもしれません」
以上、詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部