サイゼリヤ「値上げしない」のに黒字

「値上げはしない」
原材料・エネルギー価格・人件費の上昇を受けて値上げが進行する外食業界において,
そう宣言しているイタリアンチェーン「サイゼリヤ」。
低価格を維持しながらも、2024年8月期は経常利益がなんと前期比96.0%増と約2倍の156億円。
国内事業は営業利益が27億円の黒字と19年8月期以来の黒字に転換しているというから驚きだ。
多くの客から支持を得ている様子がうかがえるが、内実としては厳しい経営を強いられているとの見方も。
外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一氏は語る。
「同社の業績をみる際には国内事業と海外事業を明確に分けるべきです」
「国内の収支はギリギリの一方、海外で稼いでいるという構造です」
「国内事業は原価率が上昇傾向のなかで売上を伸ばし続けることで、なんとか販管費率を下げている状態ですが、国内の利益率は1%台と利益はほとんど出ていません」
売上高営業利益率が低いということは、裏を返せばそれだけ利益を顧客に還元している=顧客ファーストとも評価できるのではないか。
「そのような評価もできるといえます」
「外食産業全体の側からみると、企業は原価の上昇に応じて適切に値上げをすべきところを、サイゼリヤだけが海外事業の利益を使って低い価格のまま据え置くというのは、健全な競争といえるのかという点は議論があるかもしれません」
では、「値上げをしない」と宣言しているサイゼリヤも、どこかで値上げをしなければならないタイミングを迎える可能性があるのだろうか。
「国内の値上げをしないというのは、経営者の強い信念でもあり、海外で利益を稼ぐ一方で国内で低価格を維持するというのは一つの経営戦略としてはありだとは思いますが、インフレ前提の社会なので、いずれは値上げをすることになる可能性が高いと考えられます」
以上、詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部