イトーヨーカドー、閉店ラッシュから激変「〇〇スーパー」に転換

昨年に閉店ラッシュで話題となったイトーヨーカドー。実は、このところ売上高が好調で、既存店の月次売上高は25年度に入り、3月から4カ月連続で前年比を上回っています。いったいなにが変わったのか? スーパーマーケットファンが食品売場を取材してきました!
昨年、閉店ラッシュで話題を集めたイトーヨーカドー。最盛期の2016年2月末には182店舗ありましたが、北海道・東北・信越地方から撤退、大幅に店舗数を減らしたことで、現在は関東圏を中心に92店舗となっています。
ネガティブなニュースが続いていた昨年までと打って変わって、好調ムードのヨーカドー。利用している筆者も、最近は買い物が楽しくなったと感じています。
では、この1年でいったい何が変わったのか? 中でも気になる食品売場について、ヨーカドーの担当者の方々から実際にお話を聞いてきました。
■ポイント①惣菜売り場が変わった!
スーパーの花形部門といえる「惣菜売り場」。ヨーカドーでは25年3月から5月までの惣菜売上高が前年比で105%(既存店)と好調です。
実際に土曜日に売り場を訪れると、昼前には売り切れているお弁当があり、人気の高さに驚きます。
「銀鮭塩焼きのり弁」538円は、精米、ブレンド、炊飯にこだわった老舗米屋「八代目儀兵衛」監修の白米を使っていることで、高い支持を集めているんだそう。
この八代目儀兵衛監修シリーズは24年5月から始まり、丸1年を迎えます。
■惣菜のオリジナル商品数がアップ
24年は、惣菜作りにおいてヨーカドーで大きな転機がありました。自社工場「ピースデリ」での惣菜製造が始まったんです。
これにより、例えば「ロースカツ」などは「ピースデリ」で下準備がされた状態で納品され、店内では揚げるだけで提供できるようになり、調理場での工数が大幅カットに。
その分、手間がかかり店内でイチから調理する「自家製だし巻き玉子」などのメニューを増やせるようになり、惣菜のオリジナル商品数もアップしたんです。
「ピースデリ」で製造したものは、黄色いロゴのシールが貼ってあります。現在、惣菜における「ピースデリ」商品は全体の18%ですが「25年度中に30%にする」ことが目標だそう。
■ポイント②プライベートブランドが変わった!
近頃、ヨーカドーの売り場で目に付くのが、「セブン・ザ・プライス」。サプライチェーンの見直しや商品をシンプルにすることで、コスト削減を実現しておりシンプルなパッケージと手頃な価格が特徴のPBです。
この「セブン・ザ・プライス」、24年度の売上は前年比のなんと2倍! 人気の理由はずばり「低価格路線」。
実は21年7月にヨーカドーオリジナルで誕生したPBで、当初は11アイテムでスタート。セブンプレミアムの影に隠れた存在でしたが、25年4月時点で、242アイテムまで拡大しており、これが大好評!
「セブン・ザ・プライス」が加わったことで、松竹梅でいうと「松」にあたるセブンプレミアムゴールド、「竹」のセブンプレミアム、そして「梅」にセブンザ・プライスがあてはまり、3つの価格帯でさまざまな商品を選べます。
もうひとつ、「シェフズレシピ」もヨーカドーオリジナルの簡便調理食品シリーズ。冷蔵庫で解凍した後、フライパンで火を通すだけで本格的な料理が完成する調理キットや、具材たっぷりの冷凍「炊き込みご飯のもと」、プルコギなどの味付け肉を展開しています。
こちらは売れ行きが好調で、前年比はなんと2倍! 特に冷凍アイテムは賞味期限が約1年以上あるので、複数まとめ買いしていく方もいるんだそう。新商品も随時登場しています。
もっと詳しく知りたい方は、スーパーマーケットファンをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部