2025/10/16 14:23

メルカリ ハロ「事業終了」2年もたず

びっくり

メルカリが2024年春に開始したスキマバイトアプリ「メルカリ ハロ」が、わずか1年半で事業撤退を発表した。

先行するタイミーが築いたネットワーク効果の壁が高く、十分なユーザー基盤を獲得できなかった形だ。

当初の構想は、メルカリが培ってきた「CtoCの信頼基盤」を労働市場に応用することだった。フリマアプリで確立した「相互評価」や「即時支払い」のUXを、スキマバイトに横展開できると踏んだのだ。

さらに、メルペイによる決済機能や身元確認技術、メルカリShopsなどの既存サービスとの連携も見込まれ、社内では「メルカリエコシステムの拡張」として期待が高まっていた。

だが、メルカリ ハロの開始から2年を待たずして、2025年10月14日、メルカリは「事業終了」を発表した。正確なユーザー数は非公表ながら、「登録者数は1200万人を超えた」と喧伝していた。

しかし関係者によると実際の利用者は想定の数分の一にとどまり、加盟店舗数も伸び悩んだという。撤退理由として公式には「事業継続が難しいため」とのみ説明されているが、背景には複数の構造的要因があった。

戦略コンサルタントの高野輝氏は次のように分析する。

1.タイミーが築いた「二面市場の壁」

「最大の競合は、言うまでもなくタイミーです。タイミーは2018年にサービスを開始し、累計ユーザー数800万人超、導入店舗数6万社を突破。コロナ禍を経て、飲食・物流・小売など労働需給が偏る業界で『即時人材確保インフラ』として定着していました」

2.メルカリブランドの“意外な非親和性”

「もう一つの要因は、メルカリブランド自体の特性です。メルカリは『不要品の売買』=『副収入』イメージが強く、『働く』よりも『稼ぐ』文脈に結びつきます。そのため、『仕事探し』という文脈でのブランド信頼は必ずしも高くなかったといえます」

3.オペレーションの煩雑さと法規制の壁

「タイミーは独自の仕組みで『直接雇用型マッチング』を実現し、労働者保護とスピードを両立しています。これに対してメルカリ ハロは、リリース初期に『業務委託型』と『雇用型』が混在していたため、現場の混乱を招いたと指摘されています。特に飲食・小売業では、即日雇用や給与計算のオペレーションコストが重く、企業側の導入ハードルは想定以上に高かったと考えられます」

一方で、事業撤退の発表は、スタートアップ的観点では「英断」ともいえる。一般に新規事業が赤字を垂れ流しながら数年継続するなか、メルカリはわずか1年半で撤退を決断。

これは「損切りの速さ」こそが、次の成長機会を生むという経営哲学に基づく。

実際、メルカリは過去にも「メルカリNOW」「メルカリ カウル」「メルカリ アッテ」など複数の新規事業をクローズ、そのたびに、組織やUXの知見を本体事業へ還元してきた。

今回の撤退でも、本人確認技術や報酬即時支払いシステムなど、メルカリ ハロで得た技術資産を他事業に転用できる可能性が高いのである。

以上、詳細はビジネスジャーナルをご覧ください。

メルカリ ハロ、2年もたずに事業終了…「即断の英断」と「撤退の必然」の裏側 | ビジネスジャーナルメルカリ ハロ、2年もたずに事業終了…「即断の英断」と「撤退の必然」の裏側 | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部