セブン、主役交代か「ローソン・ファミマが連続最高益」コンビニ3社明暗くっきり

「コンビニの王者」が揺らいでいる。
2025年3〜8月期の中間決算で、ローソンとファミリーマートが増収・最高益更新を記録する一方、セブン&アイ・ホールディングスは減収・営業減益に沈んだ。
直近の9月度既存店売上でも、ローソン+4.1%、ファミマ+3.3%と好調を維持、セブンは+0.5%にとどまった。
戦略コンサルタントの高野輝氏に分析してもらった。
・ローソン
加盟店オーナー1人当たりの利益は前年比10%超増。2019年度から6年連続で増益を続けている。
AIを活用した需要予測による発注最適化、無印良品や厨房調理弁当など「指名買い」商品が伸び、PBのスイーツ群も販売を牽引した。
また、KDDIと三菱商事による共同経営体制のもと、通信データ×商流を一体化した分析・供給モデルを構築。「AI×MD×物流」の統合が、売上・利益ともに押し上げた格好だ。
・ファミリーマート
中間期で増収・事業利益過去最高を記録し、安定的な右肩上がりが続く。
全国約1万500店舗にデジタルサイネージを導入し、アプリ「ファミペイ」やECサイトと連動。来店・購買データを活用し、「店舗のメディア化」を推進している。中食でも、おにぎり専門店監修の「シンおむすび」や「ファミマのお芋堀り」キャンペーン商品がヒットし、売上を牽引。
リアルとデジタルを融合させた販促モデルが、ファミマの競争優位を生み出している。
・セブン-イレブン
中間期で減収・営業減益。海外ではガソリン販売減少が響き、米国事業が減速。国内も物価高で来店頻度が伸びず、営業減益・客数減少という結果に。
9月度も低調。降雨が多く客数を押し下げた一方、「秋をほおばれ!」キャンペーンなどで客単価は増加した。新商品「旨さ相盛おむすび」シリーズが好調で、米飯カテゴリーの回復は見られるものの、トータルでは他2社との差は広がっている。
ただし純利益は、前年同期のネットスーパー撤退損失の反動で2.3倍に増加。
かつて不動だったセブンの牙城を、ローソンとファミマが同時に崩し始めた。
ローソンは「通信×商流」、ファミマは「販促×デジタル」、セブンは「品質×ブランド」で戦うが、スピード感・変革力・加盟店との信頼構築で、前者2社が明らかに先行している。
いま業界で最も“構造を変えている”のはローソンだ。
いまや「規模」よりも「変化速度」が勝敗を分ける。ローソンとファミマは、データ・テクノロジー・現場をつなぐ“構造改革の先頭”に立った。セブンが次の一手を打てるかどうか──2026年、業界の主役交代が現実味を帯びてきた。
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編集者:いまトピ編集部