「スーパー並み」と騒がれる「1000店舗超えドラッグストア」に「ガッカリ」

「スーパー並みの品揃え」と急成長中の一大チェーン、それが食品も扱うドラッグストア「クスリのアオキ」。
本当にスーパーの対抗馬になるのか?
スーパーマーケットファンが実態調査しています。
「クスリのアオキ」の本社は石川県。
025年3月12日オープンの「石鳥谷店」(岩手県花巻市)で1,000店を達成。10月15日に4店舗を同時出店し、1064店舗。一方で、神奈川県内と東京都内にはいまだ0店のため、認知度には大きな差があるのも特徴。
これだけ出店数を増やせる理由として、出店エリアのスーパーマーケットを吸収合併していることが挙げられています。
神奈川県民や東京都民にはなじみがないのに、1000店舗以上も出店網を拡大している「クスリのアオキ」とはいったいなんなのか?
今回は埼玉県にある「クスリのアオキ」にやってきました。
アオキといえば、食品の取り扱いが注目ポイントですが、生活用品もPB「A&(エーアンド)」が充実。
クッキングシートやアルミホイル、排水溝ネットなどが一通り低価格でそろい、シンプルなパッケージや価格は、ライバル店として名前が挙がる「ドラッグコスモス」とよく似ています。
「もはやスーパー並み」と評されているクスリのアオキだけあり、食品は充実!
冷凍食品コーナーには「卸売業者参考価格より半額!」とのポップがずらり。
冷凍食品の定番、味の素「ギョーザ」は214円(税込み、以下同)。「卸売業者参考価格 558円」から「61.6%OFF」との記載もあり、元値は500円以上もするのかと驚いてしまいました…。(ちなみに、ついでにチェックした近隣スーパー「オザムバリュー」では192円で販売)
冷食のPB商品には「ボロネーゼ」「ナポリタン」(各193円)、「香ばし炒飯」「えびピラフ」(各322円)など。
コスモスより冷食のラインアップは少なめだと感じます。
また、イオンのPB「トップバリュ」の商品も販売。これはオンが筆頭株主となっている影響のよう。
店内の一角に突如、精肉と野菜売り場が展開!
ぶなしめじ106円、にら171円、キャベツ一玉268円などで、どれも新鮮そのものでスーパーと見劣りしません。
精肉も輸入の豚肉小間切れ100gあたり95円、国産若鶏ムネ肉100gあたり78円など。パッと見たところドリップが出ていることもなく、きれいなお肉です。
一方、肩透かしだったのは「クスリのアオキ」が強みとする惣菜、弁当コーナー。
意外にもコンパクトな売り場で、土曜日の昼12時にしては品数は控えめな印象。なにより驚いたのは、店内調理ではなかったこと!
「いろいろ選べるアオキのお惣菜」とポップに書かれているため自社製造かと思いきや、実際は県内外の食品会社数社が納品。
430円「ボリュームのり弁」は、埼玉県のアグリフーズが製造。
オーソドックスなのり弁らしく、ちくわ磯辺揚げ、シューマイ、厚焼き玉子、コロッケ半分が入っています。のりの下には味付けおかか。
コロッケや厚焼き玉子、シューマイはわかりやすく業務用のそれで、ちょっとがっかり……。
「430円出せばスーパーの店内調理のお弁当が食べられるなあ」
と思ってしまいいました。
続いて、「いなり3個」(128円)。
こちらは至って平均的ないなり寿司の味わい。1個約40円なら問題ないクオリティではないでしょうか。
今回「クスリのアオキ」で買い物をして、率直に「スーパーのライバルにはなり得ない」と感じました。
理由は、惣菜と弁当がガッカリクオリティだったこと。
近隣に店内調理の惣菜や弁当を販売するスーパーがあることを考えると、中途半端に感じてしまいます。
ただ、北陸地方の一部店舗では店内調理品が並んでいたり、鮮魚を取り扱うケースもあるそうで、その少ない例を見て「スーパー食いのドラッグストア」と騒がれているのかもしれません。
一方、以下は「ドラッグコスモス」と比べて魅力的に感じた点。
①セルフレジは買い物袋が無料(コスモスは買い物袋有料)
②現金以外の支払い方法が可能(コスモスは現金支払いのみ)
③鮮度の良い野菜と肉がそろっている
今後、アオキが店内調理の惣菜や弁当の規模をどれほど拡大していくのか、その展開に注目です。
編集者:いまトピ編集部