スーパーのカゴ、車に運ぶと「窃盗罪」になる場合がこちら

スーパーマーケットでたくさんの買い物をした後、ショッピングカートにカゴを載せて車まで運んだことはありませんか。
「駐車場までなら大丈夫」「返すつもりだったら問題ない」と、特に問題視していない人もいるかもしれません。
しかし、このカゴの持ち出しは、場合によっては窃盗罪にあたることがあるようです。
実際に、お店のカゴを自宅に持ち帰ってしまう人もいるため、警察が注意を呼びかけています。
一見すると軽いマナー違反のようでも、法律上はどこからがアウトになるのでしょうか。
東京都にあるアトム法律事務所新宿支部の松井浩一郎弁護士に話を聞きました。
――どのようなケースだと窃盗罪になりますか?
『窃盗罪』が成立するには、いくつかの条件があります。
『他人のものを自分や第三者の支配下に置いたこと』、『その行為を認識していたこと(故意)』、『自分のものとして利用しようとする意思(不法領得の意思)』の3つです。
つまり、カゴを持ち出した人に『自分のものにしよう』という意図があったかどうかが、判断の分かれ目になります。
客観的に店外へ出たという事実だけでは、すぐに『窃盗罪』になるわけではありません。
例えば、駐車場まで商品を運ぶために一時的に持ち出し、その後きちんと返却するつもりだった場合は、窃盗罪にはあたりません。
一時的に外へ出たとしても、あくまで店の備品として扱っている限り、犯罪にはならないといえます。
――では、どんな場合に罪に問われることがあるのでしょうか?
カゴを自宅に持ち帰って繰り返し使用したり、明らかに返す意思がないまま持ち出したりした場合は、その時点で「自分のものにした」とみなされ、場合によっては『窃盗罪』に問われることがあります。
カゴは店の所有物であり、あくまで貸与されているにすぎません。
店外に持ち出した時点で使用の範囲を超える行為と判断されるケースもあります。
「ちょっと外に出ただけ」という言い訳が事情として考慮されることはあっても、法的にはグレーゾーンになりやすく、注意が必要です。
買い物カゴを外に持ち出す行為は、ほんの数分であっても店の管理外に置かれることになります。
たとえ悪気がなくても、店側から見れば紛失や窃盗と変わらないこともあるでしょう。
大切なのは、『借りている』という意識を忘れないことです。
何気ない行動のなかにも、他人の財産を尊重する気持ちがあるかどうかが問われています。
そうした積み重ねが、お互いに気持ちよく過ごせる社会につながっていくのかもしれません。
詳細はgrapeをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部
