サイゼリヤがまるで老人ホーム…理由は「家にいる方が〇〇だから」
イタリアンレストランチェーン「サイゼリヤ」の一部店舗で、とあるグループ客が押し寄せて満席状態になっているという記事が話題を呼んでいる。
その“とあるグループ客”とは、「高齢者のグループ客」である。
サイゼリヤの最大の強みといえば、圧倒的な価格の安さだ。
そんなサイゼリヤの強みゆえか、高齢者のグループ客が長時間滞在し「席を占拠する」現象が起きているという。
13日付「THE GOLD 60」記事『サイゼリヤの「ミラノ風ドリアとドリンクバー」で時間を潰す…平均年金「14万円」の高齢者「家にいるほうがお金がかかる」の実情』によれば、光熱費の高騰により、自宅で過ごすより仲間と低価格のサイゼリヤで過ごすほうがオトクだと考える人が増えているからだという。
SNS上では、
<夕方のサイゼリヤ、思った以上に酔っ払い高齢者>
<ランチでサイゼリヤ来たら、爺さん婆さんの憩いの場になってた。高齢者パワーすごいな>
<お昼ご飯をサイゼで過ごしているのだけど、テスト勉強の学生と高齢者多い>
<数百円で超長居してるだろう高齢者、ドリンクバーのみで勉強机がわりの中高生集団のが気になる>
<サイゼリヤ入ったら高齢者ですごく賑わってた>
<サイゼリヤに入ったら活気のある老人ホームみたいでなかなかたのしい>
と、高齢者グループにまつわる投稿が散見される。
店側にとっては、少ししか注文せずに席を占拠する客が多いと損失を被ることになるが、飲食店の現場では一般的にどのような対応が行われているのか。
自身でも飲食店経営を手掛ける飲食プロデューサーで東京未来倶楽部(株)代表の江間正和氏に解説してもらった。
「高齢者のコミュニティが多い地域ほど、高齢者グループが飲食チェーン店に長時間滞在するという現象が起きる可能性は高くなるでしょう。
このような長居客に対して飲食店側は本音では「食事が済んだら早く帰ってくれないかな」と思っています。追加オーダーがあるなら歓迎されることもありますが、繁盛店の場合、追加オーダーを少しもらうよりも、新規客を入れてオーダーを取ったほうが売上は上がります。飲食店の売上は「客単価×人数×回転率」ですから、賃料を払いスタッフを雇っているお店では、高級店を除くと回転率の低いお店はまず成り立ちません。
また、売上の問題だけでなく、待っているお客さんがいると、スタッフはその方たちのストレスも考えて気を配りますし、帰してしまうお客さんがいると申し訳ない気持ちにもなります。かといって、お客さん側からすると、追い立てられるようなお店にはあまり行きたくないでしょうから、そこはサービス業としてのさじ加減が大事であり、難しいところです。待っているお客さんがいない状況では、長居客をそのままにしておくことが多いでしょう。」
長居客に対する飲食店の対応は、店舗のサイズや状況によってまちまちであり、気に入っているお店に長く存続してもらいたいと思ったら「ほどよく」を心掛け、お店や他のお客さんのことも考えて利用すべき、と江間氏。
本当の意味で「ありがたいお客様」でありたいものである。
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部