トヨタは「世界よりも正しかった」電気自動車が売れない…理由は「クリーンなのは嘘」「〇〇交換に数百万もかかる」
Amazon自動車販売台数ベースで世界第2位の自動車市場である米国。
今、政府が販売促進に注力する電気自動車(EV)をハイブリッド車(HV)が逆転したことに注目が集まっている。
世界的に進んでいたEVシフトにより、もはや「脱エンジン車」「脱ガソリン車」は必然だとみられていたが、変調は徐々に表面化。
HV好調・EV失速の動きは米国に限ら図、脱エンジン車を掲げる欧州ですら、いまだ新車販売の8割がエンジン車となっているという。
ちなみに日本の新車販売市場におけるEVの比率はわずか2~3%。
テスラの23年のEV販売台数は約5500台にとどまっている。
メルセデスベンツは、30年に完全電動化をするとしていたのを撤回。
GMはプラグインハイブリッド車(PHV)の生産再開の検討に入ったと伝えられている。
そして世界を驚かせたのが、アップルのEV開発からの撤退。
アップルは2010年代の半ばから完全自動化機能を搭載するEV「アップルカー」の開発に取り組んでいたが、先月に中止が明らかとなった。
EV不調の原因は何か。
まず挙げられるのが費用の高さでだ。
テスラ「モデルS」は新車時価格が約1300万円、少し前にはバッテリーの交換費用としてテスラが230万円を提示していることが判明し、一部で話題に。
「日本ではテスラ以外のEVもガソリン車やHVと比べると高額で、パーツ交換費用も高い。充電ステーションも少なく、自宅で充電できるといっても、現実問題としてガレージ付きの戸建て住宅ではないと厳しく、ガソリン車やHVの給油時間に比べてEVの充電時間ははるかに長い。また大量のバッテリーを積んでいるため廃車コストも高くなる可能性があり、『冬の極寒時に動かない』というニュースも相次ぎ、特に寒冷地では消費者の選択肢として挙がるケースは少ないだろう」(ディーラー関係者)
「原材料の採掘から製造、廃棄まで全工程を比べれば、EVのほうがエンジン車より何倍も二酸化炭素排出量やエネルギー消費量、鉱物資源の消費量は多く、『EVのほうが環境負荷が低くてクリーン』という謳い文句が嘘だということは、すでに広く知られている。」(自動車業界関係者)
こうした状況を予測していたかのようなトヨタの姿勢が今、改めて注目されている。
EVに懐疑的な姿勢を見せていたトヨタ自動車と同社会長の豊田章男氏をめぐって「やはり正しかったのでは?」と高く評価する声も広まりつつあるのだ。
「利便性やコストの面に加え、原材料のレアアースなど鉱物資源の採掘地が一部の途上国に偏ることで過度の資源調達競争が起きる懸念も指摘されている。すでに大手メーカーのなかにも調達が難航するところも出ている。資材発掘や発電まで含めたトータルの製造コストの高さや環境負荷の高さからも、トヨタとしては『経済原理に照らし合わせて、そのような車が世界の主流にはなり得ない』という判断だったのでは。さすがというか、恐ろしいほどの先見の明だろう」(自動車業界関係者)
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部