業務スーパー、地面を掘って『革命』を起こしていた…〇〇業界に「フランチャイズ方式」

熊本県小国町に地熱発電所(小国町おこしエネルギー地熱発電所)が完成し、3月1日に落成式が開かれ本格稼働した。
この発電所は、地下から吸い上げた蒸気でタービンを回して発電し、最大出力4990キロワットで、およそ8000世帯が1年間使う電力量をまかなうことができる。
この地熱発電を掘削・開発したのは、『町おこしエネルギー』(兵庫・加古川)なのだが、この会社は何を隠そう、『業務スーパー』の創業者・沼田昭二氏が2016年に約120億円の私財を投じて設立した会社だ。
沼田氏は、フランチャイズ展開する業務スーパーのビジネスモデルを地熱エネルギー開発に応用すれば迅速化につながると考えた。
従来から地熱開発のハードルとされてきたのは、通常10年以上もの長い開発期間と莫大な費用。
地熱開発には掘削機が必要不可欠だが、町おこしエネルギーはこれを自社開発し、掘削費用は5分の1になった。
小国町おこしエネルギー地熱発電所は、試掘を含めてわずか5年という最短スピードで実働稼働することができたが、JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)の支援や国の補助金制度を受けていないことも理由に挙げられる。
国の支援を受けると、推奨する調査過程を受けなければいけなくなり、開発スピードが遅くなるからだ。
一般的な地熱発電所は熱源の規模に合わせてサイズを変えるオーダーメイドだが、同社は熱源の規模にかかわらず、同じ設計のタービンや発電機、冷却塔で、同じサイズの発電所を建てるという。
いわば、地熱発電のパッケージ化だ。
2号機はフランチャイズ方式で進めることになっている。
町おこしエネルギーはすでに全国30カ所以上で掘削許可を得ているといい、フランチャイズへの申し込みは今も続いているそうだ。
再生可能エネルギーの中で、太陽光や風力は出力が不安定であり、出力が安定しているのは水力と地熱だ。
世論には原発回帰の動きも見えるが、熱発電量が増えれば、そんな流れは吹き飛ぶかもしれない。
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編集者:いまトピ編集部