私が「レンタルおばさん」で働く理由・・・
吉田鋼太郎が“レンタルおじさん”を演じたドラマゆとりですがなにか』(日本テレビ系)が話題となったのは、約2年半前のことだ。最近、その女性版となる“レンタルおばさん”が注目を浴びている。
いったい、どのようなサービスなのか。実際に“おばさん”をレンタルしてみた。
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“レンタル彼女”と何が違うのか?
おばさんといっても、登録している女性は20~60代まで幅広い。そのなかから、希望の女性を1時間からレンタルできるという仕組みだ。主婦やOL、経営者、医者、さらに“自称ハッカー”という変わった経歴の女性までいる。
利用目的はさまざまで、話し相手、悩み相談、買い物やイベントへの同行など、利用者によって異なる。ただし、風俗店ではないので、ボディタッチや性的行為、反社会的行為、公序良俗に反するような利用は禁止されている。
筆者がレンタルをお願いしたのは、働きながら2人の子どもを育てている30代のAさんだ。「話し相手になってほしい」と依頼して、一緒に食事をする約束を取り付けた。
待ち合わせ場所に現れたAさんはスーツ姿で、一見するとキャリアウーマン風。年相応のルックスだが、米倉涼子似のなかなかの美人だ。
Aさんが“レンタルおばさん”を始めたのは一昨年のこと。しかし、最初の数カ月はまったく依頼がなかったという。
「登録直後に1件ご依頼があったんですけど、予定が合わなくてお会いできなかったんですよ。それから3カ月間は、まったく依頼がありませんでした。その後少しずつ増え、爆発的に増え始めたのはネットニュースで取り上げられてからですね」(Aさん)
以来、その年の12月中旬まで新規のレンタルを断るほどの忙しさだったらしい。
Aさんが設定した料金は1時間1500円。ほかの女性たちと比較しても、かなり低い部類だ。「なぜ、この料金設定なのか」と聞くと、Aさんから意外な発言が飛び出した。
「私はほかの女性みたいに特筆できるスキルがないので、まずは1500円でやってみようかなと思って。でも、そもそも稼げるような仕事ではないんですよ」(同)
彼女によれば、登録するには約7万円の初期費用が必要だという。一方で、1時間1500円、半年余りで30人足らずでは、やはりそれほど割のいい仕事ではなさそうだ。
では、なぜAさんは“レンタルおばさん”をやっているのか。
「仕事と家庭以外の、もうひとつの居場所やつながりがほしかったんです。実際にやってみて、いろんな方に出会えるので楽しいし、人の役に立てるのもうれしい。自己満足かもしれませんが、今後も続けようと思います」(同)
居場所、そして、人とのつながり。レンタルする側もされる側も、その2つを求めているのかもしれない。何かと息が詰まる現代社会において、この手のサービスは今後も生まれそうな気配だ。
以上、ビジネスジャーナルから紹介しました。
編集者:いまトピ編集部