2024/4/12 20:17

山崎製パン「〇〇事故が4件も」工場で何が…情報非公開「あの会社みたい」揺らぐ信用

食品工場Amazon

2月、千葉工場(千葉市美浜区新港)で女性アルバイト従業員(61)がベルトコンベヤーに胸部を挟まれ死亡するという事故が起きた山崎製パン。

同社の工場では過去10年間に4件もの死亡事故が起きていたと11日発売の「週刊新潮」(新潮社)が報じている。

製パン業界最大手の山崎製パンは、「ダブルソフト」「薄皮シリーズ」「ランチパック」「ナイススティック」など、長寿シリーズを多数抱え年間売上高は1兆円を超える。

毎年春に展開されるキャンペーン「春のパンまつり」も有名で、多くの一般消費者にとって親しみが深い企業の一社といえるだろう。

そんな同社の千葉工場で起きた死亡事故。

前出「週刊新潮」記事によれば、女性従業員はベルトコンベヤーのバーに腕を挟まれて奥に引き込まれたが、通常ベルトコンベヤーに設置されている安全カバーが付いていなかったという。また、記事内で同社元社員は、知り合いの社員だけで10人は作業中に指を切断する事故に遭っていると証言している。

食品製造現場における事故は少なくない。
農林水産省の調査によれば、2019年の1年間に食料品製造業の「新たな製品の製造加工を行う事業所」「工場、作業所」で発生した作業事故は7969件、そのうち死亡事故は16件、重篤事故は3672件となっている。

食品メーカー関係者はいう。

「食品工場には大型の食品製造機械が数多く設置されており、作業者が巻き込まれたり、挟まれたりといった事故が起こりやすい。原因としては、作業者の高齢化に伴う俊敏性の衰え、非正規雇用者や外国人労働者の増加で安全対策の講習が十分に行われないことなども挙げられます」

「転倒事故がもっとも多いのは食品メーカーだと思います。作業場床面の水や油分によって長靴が滑りますし、熱湯を用いるので火傷も頻繁に発生します。そのため、ゴムエプロンと長靴の隙間から熱湯が入らないよう作業者同士でチェックを行います」

今回の事故も含めて同社は発生の事実や原因、再発防止策の発表を行っていないようだが、別の食品メーカー関係者はいう。

「事故発生後にメーカーとしてまずやるべきは、労働基準監督署への報告とご遺族への説明、そして社内での原因調査とそれを踏まえた上での全工場への再発防止策の実施です。山崎ほどの大企業であれば、これらはすべて実施していると考えられるが、ここ数年で4件の死亡事故というのは『多い』という印象。さらに情報の公表を拒んでいるとしたら『ビッグモーターと変わらない』と世間に受け取られても仕方ない。」

以上、Business Journalからお届けしました。

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編集者:いまトピ編集部