ハードオフ4千円のPS4、中から出た物体に「ギョッとした」「羨ましすぎる」

今回注目したいのは、Xユーザー・takiさんが投稿した1件のポスト。
こちらの投稿には2枚の画像が添えられており、片方の写真には「通電しますが、起動しません。HDD入っていません。修理・部品取りにどうぞ」と、ハードオフの値札に記された「ジャンク品」のPlayStation 4(以下、PS4)が確認できる。
本来の用途では使用できないが、こうしたジャンク品に出会えるのもハードオフの醍醐味…と思いきや、もう1枚の画像ではPS4がしっかり起動している様子が収められていたのだ。
「はいジャンク詐欺ーwww 4,000円のPS4動いたーwww」と綴られたポストは瞬く間に話題となり、投稿から数日で2,000件以上ものリポストを記録するほど。
他のXユーザーからは「ハードオフドリームだ、すげぇ!」「めちゃくちゃ羨ましい」「マジでジャンク品は最高、ロマンの塊」「こういう修理が自分でできると、宝探しみたいで楽しそう」など、称賛と羨望の入り混じった声が多数寄せられていた。
ハードオフ店頭のジャンク品には、稀に思わぬ掘り出し物が眠っているもの。いつしか人々はそうした商品に出会う奇跡を「ハードオフドリーム」と呼ぶようになり、世が「大ハードオフ時代」へと突入したのはあまりにも有名である。
しかし、起動しないと思われたジャンク品のゲームハードが起動した今回の「ジャンク詐欺」は、どのような経緯で発生したのだろうか。ことの経緯をめぐり、ポスト投稿主・takiさんならびに「株式会社ハードオフコーポレーション」に詳しい話を聞いてみることに。
日頃より、ジャンク品等の修理過程をXに投稿しているというtakiさん。今回のPS4に関する投稿もそのひとつで「電源は入るが起動しないゲームハード」という認識のもと、購入することに。
PS4の修理経験はなかったtakiさんだが「電源ユニットが故障していて起動しない例」をよく耳にしており、頭の中では修理プランをしっかり計画していたようだ。
…しかし、購入後に電源を入れると、本体からは作動音が。当時の様子についてtakiさんは「HDMI端子に接点復活スプレーを吹きかけたところ、映像が出ました。その際、明らかにディスクの読み込み音がしたので、PS4から強制的にディスクを取り出したところ『FF7』(ファイナルファンタジーVII リメイク)が入っていました」と説明している。
その後の対応については「別のジャンク品PCから取り外してあったSSDを装着し、USBメモリから復元をかけたところ、PS4は完全復活を遂げました。色々試しましたが、特に動作不良はないようです」「修理にかかった費用(ジャンクPCの値段)は、2,000円くらいでしょうか」とのこと。
つまりtakiさんはトータル6,000円ほどで、プレイ可能なPS4本体と『FF7』ソフトを入手したことになり、これは正真正銘のハードオフドリームである。
しかしここで疑問に感じるのが、なぜ「ハードオフはこの商品をジャンク品と判断したのか」という点である。takiさんの話を聞く限り、修理を加えて「中古品」として販売する未来も十分あり得たのではないだろうか。
そこで、件のPS4を販売していた静岡県の某ハードオフ店舗にまず、買取り時のPS4の状態について尋ねてみることに。
店舗の担当者は「『PS4が立ち上がらず、ゲームができない。中にゲームが入っていて抜けなくなった物も買い取りできるか』という内容で、お客様が持ち込まれました」と、当時の様子を振り返る。
PS4はゲーム本体にプレイヤーの個人情報等が設定されているため、店舗側が「データを消去できる状態でないと再販できず、買い取りは難しい」旨を説明するも、客は「なんとか買取できないか」と食い下がる。
そこで、ハードオフは「中のディスクの『買い取り』はできない」「内蔵HDDを取り外してジャンクとして販売しなければならないため、通常の買い取りより安くなる」という2点の条件を提示。客側はこれらを承諾し、かくして話題のPS4が買い取られたのだった。
「ジャンク品」として販売された商品が最終的に問題なく起動する様子を受け、ハードオフの「検品不足」を疑った人もいるかもしれない。しかし、実際はその逆である。
当時、商品検品に当たった担当者は「こちらでできる範囲の動作確認を行なった上で販売させていただきました」「通電していることは確認がとれていたため、本体の知識があり、部品交換などの対応のできる方であれば、直る可能性は十分にあったと思います」と、商品の状態を振り返っていたのだった。
4,400円(税込)という販売価格についても「PS4に関しては現在、通常動作が見込める商品でも全体的に値段が下がっていたため、設定金額は至って妥当と判断しています」と補足している。
さらに、担当者は「他のお客様からも『ジャンク品で売られていたオーディオ等をいじったら動いたよ』といったお声を何度もお聞きしているため、今回も『修理をしたら直った』というケースかと思われます」と、過去の事例についても説明しており、ハードオフ側では「修理できる方どうぞ」といった意味も込め、ジャンク品を販売している側面があるのだろう。
これらの説明に加え、取材の最後に「ハードオフといたしましてはこれからも、宝探しのようなワクワク感を提供できればと思います」とのコメントが得られたのが非常に印象的であった。
正にハードオフを象徴する、夢の詰まったメッセージと言えるだろう。ハードオフドリーム未体験の人はぜひ、ハードオフ店舗を散策してみてほしい、とSirabeeが報じている。
編集者:いまトピ編集部