プロバイダならOCN『映画』製作中止へ、悲しみの声
4月19日、テレビアニメ『ユーリ!!!on ICE』（テレビ朝日、BS朝日ほか）の映画『ユーリ!!!on ICE劇場版:ICE ADOLESCENCE』の製作中止が明らかに。ネット上ではファンから悲しみの声が続出している。
『ユーリ!!!on ICE』（以下、『ユーリ!!!』）は、『モテキ』シリーズ（講談社）で知られる漫画家・久保ミツロウ氏とアニメーション監督・山本沙代氏の共同原案による男子フィギュアスケートの世界を描いたオリジナルアニメ。
日本代表強化選手である主人公・勝生勇利（豊永利行）が、世界選手権5連覇を成し遂げた憧れのロシア選手、ヴィクトル・ニキフォロフ（諏訪部順一）指導の下、“ロシアの妖精”の異名を持つユーリ・プリセツキー（内山昂輝）をはじめとするライバルたちと切磋琢磨しながらグランプリファイナル優勝を目指す物語だ。
2016年10月期に全12話が放送され、元フィギュアスケート（アイスダンス）選手の宮本賢二氏による振り付けや、リアルなスケーティングシーンなど、クオリティの高い映像がアニメファン、フィギュアファンの間で話題を呼び、社会的ブームに。
また、日本人選手だけでなく元人気フィギュアスケーターのエフゲニア・メドベージェワら世界のトップ選手たちからも熱い支持を得た。
そんな中、17年4月に行われたイベント『ユーリ!!! on STAGE』夜の部にて完全新作の劇場アニメの制作が発表に。19年公開予定とされたが、同年9月、テレビ版と劇場版のそれぞれの公式サイトにて「大幅な作品内容のスケールアップを図るため」（原文ママ、以下同）として公開延期になった。
それから約4年半後の今年4月19日、今度は「本作品を製作委員会・スタッフ一同でつくりあげ、皆様のもとに届けるべく、度重なる協議や調整を続けてまいりましたが、諸般の事情により製作を断念せざるを得ないという判断に至りました」との報告文が掲載された。
「ロシアでは、22年北京冬季五輪中にカミラ・ワリエワ選手のドーピング問題が勃発。また、同年2月から始まったロシアのウクライ侵攻により、国際スケート連盟はロシア選手の国際大会への出場を認めていません」（スポーツ紙ライター）
こうした状況下もあり、ネット上では映画の製作中止にショックを受ける声が続出したほか、「映画の舞台がロシアだとしたら、世界情勢を鑑みると仕方ない」「制作期間が空いた間に事情が複雑化してるからなぁ……」などと受け止める人も多いようだ。
また、『ユーリ!!!』の製作を手掛けるアニメ制作会社・MAPPAは、『進撃の巨人 The Final Season』や『呪術廻戦』シリーズ、『チェンソーマン』など、多数のヒット作を手掛けており、抱えている作品も多いだけに、「製作を請け負いすぎて手が回らなかったんだろうな」「『呪術廻戦』とかを優先したいから切り捨てたのでは」と勘繰る声もある。
そんな同社だが、業界関係者からは高い評価を得ているようだ。
「MAPPAが作るアニメはとにかく映像が美しく、テレビアニメでも映画並みの高クオリティで作製します。“ファンの期待を裏切らない”という実績があっただけに、期待値は高かったことでしょう」（声優事務所関係者）
なお、出演声優の顔ぶれについて、同関係者はこのように評価する。
「売れ筋の声優でメインキャストを固めている印象。特に主人公・勇利役の豊永は非常にいい役者で、小手先の技術で演じるのではなく、『心』で演じるタイプ。子役出身ということもあって、同世代に多い専門学校出身声優とはちょっと演技の切り口が違い、あまりいないタイプともいえます」（同）
彼が所属しているのは、スーパーエキセントリックシアターというアミューズ傘下の芸能事務所兼劇団。俳優の三宅裕司や小倉久寛らが在籍しており、ほかの所属タレントも、基本的には“顔出し”仕事がメインのようだ。
「声優事務所に限ったことではなく、“芸能界あるある”なのですが、売れっ子を担当しているマネジャーはなぜか偉そうで、なかなかスケジュールを出さなかったり、現場でもあいさつひとつろくにしなかったりという人も多いんです（苦笑）。しかし、豊永のマネジャーは気持ちよくあいさつをしてくれるし、時にその場を和ませることもある。そういった点からもいい事務所だと感じさせてくれます」（同）
制作会社、主演声優ともに高く評価されている『ユーリ!!!』。この先、違う形で復活することを願いたいところだとサイゾーウーマンは報じた。
編集者：いまトピ編集部
