2024/6/9 10:33

『大手チェーン店』63億円の赤字&大量閉店、明らかな過去「街から消える可能性も」

ガスト

「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などの外食チェーンを手掛ける、すかいらーくホールディングス(HD)。ファミレス業界トップクラスの規模を誇る同社は、2023年1~2月に新業態を2つもオープンさせた。ひとつは、1月18日に埼玉県白岡市にオープンした「そば」の業態である「八郎そば」。2017年6月オープンのハワイアンダイニングカフェ「La Ohana(ラ・オハナ)」以来の6年ぶりとなる新業態出店であり、自家製となる「生そば」のほか、丼もの、鉄板料理を提供するスタイルとなっている。

そしてもうひとつは、2月1日に東京都町田市でオープンした飲茶スタイルの店である「桃菜」だ。中国茶を楽しみつつ点心などの料理に舌鼓を打ち、飲茶という異文化体験ができる店となっており、2089~2699円(税込)の価格帯で食べ放題メニューも提供している。将来的に南関東で20店舗の出店を計画し、全国展開も視野に入れているとのこと。


コロナ禍における飲食店打撃の影響を完全に抜け切れていない状況のなかで、強気の攻勢とも受けとれる新業態オープン。すかいらーくHDは、2022年12月期最終損益が8月当初に想定していた20億円の赤字から63億7100万円の赤字にまで拡大し、業績低迷が目立つ。また、23年中に不採算店舗を100店も閉店させることが明らかになっており、街から、すかいらーくグループの店舗が消える可能性も示唆されているのだ。業績悪化するなかで、新業態をスタートさせる意図は何なのか。今回はフードジャーナリストの重盛高雄氏に聞いた。


「単価は高めですが、どちらもやはりカジュアルな印象です。八郎そばは、そばのほかに丼ものや鉄板焼きなどの豊富さで勝負し、桃菜も中国茶を揃えつつグランドメニューのほかに食べ放題を実施するなど意欲的な挑戦は見られます。本場の味、王道の味を楽しめるという店舗設計ではないものの、客単価を高めに設定して、売上アップを図ろうとする気概は感じられますし、シェア獲得にも前向きなようですね」(同)

新業態以外にも、すかいらーくでは客数、客単価アップと思われる取り組みを行っている。たとえば、一昨年12月下旬からネット上では、すかいらーくグループの店舗内にあるコンセントが一部封鎖されているという報告が相次いでいるのだ。こうした対応に「回転率を上げるため」と推察する声も上がっている。

「特にガストの場合ですと、ドリンクメニューと何か一品だけ頼めば席に居続けられる仕組みとなっているので、ピーク時にずっと席に居続けられてしまうと、回転率は上がりません。客単価をがんばって上げようとしている最近のすかいらーくの方針を見ていると、長時間滞在の一因となるコンセントを封鎖しようとする動きの意図は理解できます」(同)と、ビジネスジャーナルが報じた。

ガスト運営元、赤字拡大&大量閉店の裏で単価高めの新業態2つ同時オープンの狙い | ビジネスジャーナルガスト運営元、赤字拡大&大量閉店の裏で単価高めの新業態2つ同時オープンの狙い | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部