2024/6/15 13:15

グリコ、ほぼ出荷停止

グリコAmazon

システム障害が原因で、ほぼすべてのチルド食品(冷蔵食品)が2カ月以上にわたり出荷停止になるという異例の事態に見舞われている江崎グリコ。その同社が現在、ある転職サイトに掲載している社内SEの人材募集ページが話題を呼んでいる。業務内容は「グローバル展開を見据えた次期統合認証基盤の企画、設計、構築」、歓迎条件は「SAP ERP(S/4 HANA含む)」などと高度なスキルを求める一方で、予定年収が「500万円~」となっている点について「低すぎる」として疑問の声が続出している。同社経営陣のシステム投資への理解度と今回のシステム障害を結びつける指摘もみられるが、同社がITエンジニアに提示している年収は適切なレベルといえるのか。

 グリコが被る損失は大きい。同社は5月、24年12月期連結決算見通しについて、売上高は従来予想を150億円下回る3360億円(前期比1%増)に、純利益は従来予想を40億円下回る110億円(前期比22%減)に下方修正すると発表した。ダメージはこれだけではない。4月22日付「日経クロステック」記事によれば、プロジェクトの当初の完了予定は22年12月であったが延期され1年以上の遅れとなり、投資額は当初の予定金額の1.6倍にも膨れ上がっているという。

 雇用された後の出向先である江栄情報システムについて、募集ページには「コンサルに外注する分野も今後内製化へ転換、技術発信で新しいものを生み出せる組織」と書かれているが、システム開発会社のSEはいう。

「今回障害を起こしたシステム更改プロジェクトの主幹ベンダはデロイト トーマツ コンサルティングですが、障害を起こす以前にリリースが当初の予定から大幅に遅れており、デロイトの責任が重いという見方が広まっています。募集ページにわざわざ『コンサルへの外注をやめて内製化し転換していきますよ』と書いているところに、デロイトへの不信が表れている。

 トータルでグリコがデロイトにいくら払うのかは不明だが、外資系ベンダのSAP関連のプロフェッショナルやPMだと人月単価100万円以上だろうから、それなりの額になるはず。その一方で、社内SEとして高度スキル人材を500万円そこそこの年収で募集するというのは、ちょっとセンスがない気もする」とビジネスジャーナルは報じている。

グリコ、ITの精鋭部隊を年収500万円で募集→「悲劇のトラブル招いた原因」 | ビジネスジャーナルグリコ、ITの精鋭部隊を年収500万円で募集→「悲劇のトラブル招いた原因」 | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部