2024/7/1 13:20

Uberが失敗…「中止せざるを得ない状況に」

孤独

全世界でひと月当たりの乗車回数が約1億回にも上るとされるライドシェアアプリ「Uber(ウーバー)」。日本でサービスを開始してから10年以上たった現在はタクシー配車アプリとなり、普及したとはいいがたい状況が続くが、これまでたびたび国の当局から反発を招くなど混乱を起こしてきたこともあり、「ウーバーが失敗したのは、日本では企業は法律を犯してはいけないということを経営者が知らなかったことが原因ではないか」という指摘が一部で注目されている。

米国のビジネスの世界においては、とりあえずサービスを開始してみて法的な問題などが露見すれば都度対応すればいいという考えが許容されている、という解説が聞かれることもあるが、実際のところ、米国企業には「必ずしも法律を破ってはいけないということはない」「ビジネスを展開する上で、法律を破ってもよいとされるケースがある」という考えは一般的なのか。そして、なぜ世界的に成功したウーバーは日本では普及しないのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。



「ウーバーは世界各国でまずはサービスを始めたうえで各国政府と折り合いをつければいいと考えました。日本では日本社会の慣習を検討したうえで社会実験からサービスを始めました。福岡で無料のライドシェア実験を始めたのですが、結果としては当局による強い指導から実験を中止せざるを得ない状況に追い込まれます。ここは実に日本的だと思うのですが、法律上はウーバーのやろうとしたことは合法だったのです。法律ではお金をとる白タクは禁止しているのですが、お金をとらない無料のライドシェアは禁じていません。

しかしウーバーは、日本には非関税障壁としての『行政指導』があるということを知りませんでした。『いずれお前たちは有料でライドシェアを始める前提で、無料で実験をしているのだろう。そんなのはダメだ』と役所から言われたのです。当局ににらまれたまま実験を強行すると日本での免許が下りなくなることを知らなかったのです。ウーバーが方針転換をしたことで、日本ではウーバーイーツを大々的に展開して成功しています。もし実験を中止せずに強行していたら、ウーバーイーツの自転車も徹底的に道路交通法違反で取り締まりを受けてサービスを中止させられていたでしょう。
 この行政指導は監督官庁によって温度差があります。産業振興を重視する経済産業省は比較的話し合いの余地が大きく、秩序を重視する金融庁は保守的です。国土交通省の場合は利権が大きいことからアメリカの私企業が勝手に公共交通のサービスを始めるのはそもそも難しい。ウーバーはその意味で、YouTubeやSpotify、Instagramとは監督官庁が違ったことが最大の障壁だったのでしょう」

と、ビジネスジャーナルは報じた。

ウーバー、ライドシェア失敗原因は「日本では法律は守るべき」を知らなかった? | ビジネスジャーナルウーバー、ライドシェア失敗原因は「日本では法律は守るべき」を知らなかった? | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部