2024/7/4 10:08

電卓のACキー機能『全部消す』ではない「5割弱が誤解」

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「人間は脳全体の、たった数パーセントしか使用できていない」という話を聞いた経験はないだろうか。それと同様に、多くの人々は電卓の機能をごく一部しか使用できていないのだ。

今回は、じつに半数近くが勘違いしていた「AC」(C)キーの役割について確認してみよう。

日常生活で電卓が活躍するシチュエーションといえば、足し算、引き算、かけ算、割り算の「四則演算」を行う際。「0」(00)〜「9」の数字と小数点、四則演算の各記号とイコールのキーしか使用した覚えがない…という人も珍しくないだろう。

もちろんそれだけでも非常に便利な電卓だが、搭載された全てのキーの用法を理解すれば、さらに便利になることは言うまでもない。

さて読者諸君は、電卓に搭載された「AC」(C)キーを押すと「何が消去されるか」をご存知だろうか。Sirabee編集部が実施した全国の10〜60代の男女654名を対象とした選択形式のアンケートにて、こちらの質問を用意したところ…。

調査の結果、「AC」(C)キーが消去するのは「液晶に表示された数値」と回答した人は全体の50.9%、残りの49.1%は「メモリ内含む全ての数値」と回答したことが判明。

記者も電卓を使用する際、同キーには何度もお世話になっており、「AC」は恐らく「All Clear」(オールクリア)の略だろうと考え、スナック菓子感覚で気軽に押していた。

そのため、こちらは「液晶に表示された数値」を消すキーと認識していたのだが、メモリーキーなど使用した経験のない記者が知らないだけで、じつは「(液晶に表示されていない)記憶させた数値」をも消す機能があったとしてもおかしくはない。何しろ天下の「オールクリア」である。何でも消し去りそうな威厳が感じられる。

そこで今回は、世界で初めて「電卓技能検定試験」を実施した一般財団法人「日本電卓技能検定協会」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、決して少なくない人が誤解してしまう「納得の理由」が明らかになったのだ…。

「AC」(C)キーの機能について、電卓検定協会の担当者は「液晶に表示された数値の消去を行います」「カシオの『AC』は、GT(直前に計算した数値の合計額を出す機能)に記憶された数値も消去します」と説明する。

そう、じつはWindowsとMacのキーボードに「名称は違うが機能は(ほぼ)同様」のキーが見られるように、電卓のキーもメーカーによって表記が微妙に異なるのだ。

まず「AC」はカシオの電卓、「C」はシャープの電卓に搭載されたキーで、いずれも「液晶に表示された数値の消去」(メモリーは消さない)という機能を持っている。

そして、なんとカシオの電卓には「今現在、表示されている数値の消去」を消す、「C」キーが搭載されているのだ。

こちらは、例えば「2000+1000=3000」という計算をしたいのに「2000+10000」と入力し、画面に「10000」が表示された際、この時点で「C」を押せば「10000」のみを消去する。

直前の「2000+」という入力内容は記憶されているため、続けて「1000」と「=」を入力すれば、何事もなかったかのように「2000+1000=」の計算に軌道修正が可能。全消去と比べ、非常にスマートなリカバリーである。

そのため、明確にシャープの「C」キーとは役割が違うのだが…キーの刻印が同じで、対象範囲は違えど「数字を消す」という機能が共通していることから、混同してしまった人は少なくないだろう、とSirabeeが報じている。

電卓のACキー機能、5割弱が誤解していると判明 「全部消す」つもりでバンバン押してたが… – Sirabee電卓のACキー機能、5割弱が誤解していると判明 「全部消す」つもりでバンバン押してたが… – Sirabee

編集者:いまトピ編集部