佐々木朗希(22)、移籍か
これまでタブー視されてきた日米球団間のトレードが、「期限付き移籍」という変則的な形で、実施に向けて動き出した。
6月17日から24日まで、日本野球機構(NPB)セパ全12球団の代表者と職員の16人が、米大リーグ機構(MLB)の本部があるニューヨークを訪問。日米間の諸問題について意見交換した。
榊原定征コミッショナーの提案で実施したもので、日本の球団代表者がそろってMLB首脳と顔を突き合わせて話し合う組織的な視察は初めてだった。
リーグビジネスがメインテーマだったが、各部門のMLB責任者と協議する中で関心が高かったのが、ポスティングシステム(PS)をはじめとする選手の相互交流だという。
今オフもPSを使って、米球界挑戦を目指す日本人選手は多い。
佐々木朗希(ロッテ、22)を筆頭に、髙橋宏斗(中日、21)、山下舜平大(オリックス、21)、平良海馬(西武、24)、髙橋光成(同、27)…。来オフは村上宗隆(ヤクルト、24)も予想される。この中で群を抜いて注目されているのが、160キロ超の速球をガンガン投げ、NPB日本選手最速タイの165キロもマークしている佐々木だ。
実力も評価されて当然だが、佐々木にはアメリカ人に愛されそうな理由もある。
出身が岩手県陸前高田市で、2011年3月の東日本大震災の津波で父(当時37歳)と祖父母を亡くし、実家も流失。震災後、母親の陽子さんが女手一つで3人の息子を育てたエピソードが米国内でも報じられているのだ。
MLB関係者を含め、多くの米国野球ファンは「佐々木がMLBに挑戦してアメリカン・ドリームを実現し、母親孝行できること」を願っているという。
その感動劇に立ちはだかるのが、MLBと大リーグ選手会が16年に結んだ新労使協定だ。
「25歳未満の海外選手との契約はマイナー契約とし、契約金、年俸込みで年間500万ドル(約8億円)に制限する」という“25歳ルール”である。
佐々木があと2シーズン、ロッテにとどまって、山本同様に25歳でPS移籍を目指せば、「年俸40億円契約」は可能だろうし、ロッテにも「70億円程度」の譲渡金が入る。
しかし、今オフの挑戦だとそうはいかない。
年俸は3億円程度。同じ23歳で渡米した大谷の約6200万円に比べれば恵まれているが、ロッテに入る譲渡金はわずか5000万円。あと2年、ロッテで熟成させれば70億円が転がり込むわけで、雲泥の差だ。
「そこで急浮上しているのが、MLBへの期限付きトレード案です」
こう解説するのはスポーツ紙デスク。
「ざっくり言えば、佐々木を25歳までの期間限定でMLB球団に全面移籍させる。金銭トレードでもいいし、メジャーリーガーとの交換でもいい。その上で契約満了時に古巣のロッテに戻して改めて契約し直し、PSにかける。これなら佐々木は25歳まで“飼い殺し”にされずに済み、球団にも最終的に満額の譲渡金が入る。ウィンウィンの“佐々木ルール”です」
サッカーと違い、NPBとMLBはレンタルトレードを認めていない。
しかし実際には、MLBではメキシカンリーグのチームとの間で若手育成や調整を目的に期間限定で相互に移籍するケースが少なくない。
これをモデルに、NPBとMLBも期間限定トレードを模索しているという。
それが、今回の日米球界「異例の首脳会談」の目的だったのだと週刊実話WEBは報じている。
編集者:いまトピ編集部