佐々木朗希「恩返ししたい」
Amazonこれまでタブー視されてきた日米球団間のトレードが、「期限付き移籍」という変則的な形で、実施に向けて動き出した。
6月17日から24日まで、日本野球機構(NPB)セパ全12球団の代表者と職員の16人が、米大リーグ機構(MLB)の本部があるニューヨークを訪問。日米間の諸問題について意見交換した。
榊原定征コミッショナーの提案で実施したもので、日本の球団代表者がそろってMLB首脳と顔を突き合わせて話し合う組織的な視察は初めてだった。
リーグビジネスがメインテーマだったが、各部門のMLB責任者と協議する中で関心が高かったのが、ポスティングシステム(PS)をはじめとする選手の相互交流だという。
昨オフは山本由伸(25)がPSを使ってMLBに挑戦し、ドジャースと12年総額465億円の大型契約を締結。10年総額1015億円でエンゼルスから移籍した大谷翔平の同僚となった。
山本を送り出したオリックスには、ドジャースから70億円の譲渡金が入った。この金額はオリックスの選手総年俸額の実に3年分に相当する。
今オフもPSを使って、米球界挑戦を目指す日本人選手は多い。
佐々木朗希(ロッテ、22)を筆頭に、髙橋宏斗(中日、21)、山下舜平大(オリックス、21)、平良海馬(西武、24)、髙橋光成(同、27)…。来オフは村上宗隆(ヤクルト、24)も予想される。
この中で群を抜いて注目されているのが、160キロ超の速球をガンガン投げ、NPB日本選手最速タイの165キロもマークしている佐々木だ。
実力も評価されて当然だが、佐々木にはアメリカ人に愛されそうな理由もある。
出身が岩手県陸前高田市で、2011年3月の東日本大震災の津波で父(当時37歳)と祖父母を亡くし、実家も流失。震災後、母親の陽子さんが女手一つで3人の息子を育てたエピソードが米国内でも報じられているのだ。
MLB関係者を含め、多くの米国野球ファンは「佐々木がMLBに挑戦してアメリカン・ドリームを実現し、母親孝行できること」を願っているという。
「佐々木の昨季まで4年間の通算成績は19勝10敗だが、それでもヤンキースのキャッシュマンGMは、佐々木のポテンシャルに惚れ込んでいる」(MLBアナリスト)
昨オフ、山本獲得に本腰を入れながらドジャースに奪われた無念さもあり、意気込みもハンパではないという。
「シーズンを通じてローテーションを守った経験がなく、今季も2度離脱していることで、虚弱体質を疑う声もあるが、キャッシュマンGMは逆にそこを評価している。『中6日で投げないのは自己管理能力に長けているからだ』と。まだ22歳、体が出来上がる26〜27歳になれば、大谷や山本以上の投手に変わると判断しているようです」(同)「佐々木には、大谷のドジャース入りでマネジメントした電通がついており、移籍したチームには日本のスポンサーを連れてきてくれる。それを超大型契約につなげられるMLB球団は、東西海岸の2強しかない」(広告代理店関係者)
佐々木の今オフの渡米には「ワガママだ」「早すぎる」といった批判的な声が多いのも事実だが、本人がこう言えば収まるはずだ。
「母親に恩返ししたい」
すでに、日米の球界は水面下で環境を整えている、と週刊実話webが報じた。
編集者:いまトピ編集部