2024/7/14 20:09

『アイリスオーヤマ』丸パクリ発覚…「似すぎ」サイト文言も酷似の悪質さ

NG

花王のヒット商品「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」の意匠権を侵害しているとして、同社はアイリスオーヤマの「モイスクル じんわりホットアイマスク」シリーズ4商品の販売差し止めを東京地裁に申し立てた。アイリスといえば機能を最小限に絞った商品を安価な価格で販売することで知られているが、このニュースを受けSNS上では「広告見たら似すぎてて」「まあアイリスオーヤマっていえばね」「アイリスオーヤマはそういう商品ばっかり」などとさまざまな反応が寄せられている。アイリスの商品戦略はどのようなものなのか。また、今回のケースでは意匠権の侵害が成立すると考えられるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

2007年に発売された「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」は、袋から出したアイマスクを目にかけると約40℃の蒸気が出て、約20分間の使用で気分がほぐれるというもの。無香料タイプのほか5種類の香りのタイプ、メントールinで発熱時間約10分のタイプがラインナップされている。「めぐりズム」シリーズとしては、「蒸気でグッドナイト 首もと あったかパック」「じんわりスチーム 足パック」など首もとや足につけるタイプもある。「日経トレンディ」(日経BP社/2024年5月号)によれば、シリーズ全体で国内だけで年間100億円超(出荷額/23年)の売上があるといい、海外売上も大きい。

一方、今年3月に発売されたアイリスオーヤマの「モイスクル じんわりホットアイマスク」も、約40℃の蒸気の発生が約20分間続くもので、形状や全体の素材が不織布である点なども花王の商品と同じ。花王は「めぐりズム」の利用シーンについて公式サイト上で「朝の仕事前や仕事の合間に」「移動時に」「おやすみ前に」としているが、アイリスオーヤマの「モイスクル」も「お仕事の合間に」「移動中に」「おやすみ前に」と表記している。

また、花王の「めぐりズム」のキャッチコピーは

「ひたる、ひとり時間」

「あったか蒸気が働き続けた目にじ~んわり」

「気分まで奥からほぐれていく」

となっているが、アイリスオーヤマの「モイスクル」は

「がんばった、私の目もとへご褒美タイム」

「頑張った一日に 目元を温かく包み込む」

「心と身体もほぐし気分もリラックス」

となっている。

このほか、アイリスオーヤマの「モイスクル」の商品サイト上の使用時・使用上の注意には、花王の「めぐりズム」とまったく同じ記述もみられる。
ちなみにECサイト「Amazon.co.jp」上では「めぐりズム」の16枚入りが1540円(税込)、「モイスクル」の10枚入りが1013円となっている。

元食品メーカー・マーケティング部門管理職はいう。
「花王は『めぐりズム』について1990年代から商品開発に取り組み、発売後も改良を重ねてきたということなので、20年以上にわたり多額のコストと労力を投下して商品開発を続けてきた。パクリ商品を他社から同レベルの価格で出されては損失を被るので、法的手段を取るのは当然。むしろ、なぜアイリスオーヤマほどの大企業が、これほどあからさまなパクリ商品を発売したのかが気になる」

アイリスオーヤマとはどのような企業なのか。東大阪の下請け企業として1958年に創業した同社(創業当時は「大山ブロー工業所」)は、1980年代に園芸用品に進出し、ガーデニングブームも追い風となり成長。その後、収納用品や家電製品などに進出し業態を拡張させ、2010年代に入るとLEDシーリングライトやクッキングヒーター、IHジャー炊飯器といった家電商品を相次いで投入。現在では日用品や家具に加え、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった大型家電まで幅広く扱う総合生活用品メーカーとなっている。

国内のほか、米国や韓国、中国、オランダ、フランスなど海外にも工場を持ち、年間グループ売上高7540億円(2023年度)、従業員数6000名を超える日本を代表する大企業だ。

そんな同社の家電商品では、過去にはたびたび品質問題が起きていた...

続きは『Business Journal』へ。

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編集者:いまトピ編集部