引退か「一旦終わりにします」失えば、この上ない痛手
28日にさいたまスーパーアリーナで行われた格闘技イベント『超RIZIN.3』のメインイベントに出場し、平本蓮に痛烈な1ラウンドKO負けを喫した朝倉未来。試合後は会見に出席せずノーコメントで会場を後にしていたが、29日になって自身のSNSを更新。
「沢山の応援ありがとうございました 4万人の景色見れて良かった!格闘技が好きなので練習は続けるし、色んな選手のサポートをしたり、格闘技界に貢献していけたらと思う 自分が戦うのは一旦終わりにします」
具体的に“引退”の2文字こそないものの、試合前から「負けたら引退」を明言していただけに、今後、真剣勝負のリングに上がることはなさそうだ。
今回の敗戦を受け、RIZINの榊原信行CEOは「未来は今日インタビューも出てないと思います。インタビューに今答えられる整理がつく状況じゃないと思うんで、 またしっかり僕も話をしてみたいと思います」と朝倉の心情を慮った上で「僕はなんとか未来にはこのまま終わってほしくないという思いを持っている」「これだけのファンをどん底に突き落としたんだから、このまま終われるのかっていうことですよね」と、引退の撤回を求める意向を示している。
今回、さいたまスーパーアリーナに4万人の観衆を集めた『超RIZIN.3』。ノンタイトル戦、しかも朝倉は2連敗中、平本はMMAでわずか6戦して3勝3敗という、競技トップではない選手同士がメインイベントの興行としては異例の動員となった。
その原動力となったのは、YouTubeやブレイキングダウンなど多方面で活躍してきた朝倉の知名度と、平本の長年にわたるSNSでの自己プロデュースのたまものだろう。2人がRIZINという団体の外で積み上げてきた扇動的なやり取りが話題を呼び、総合格闘技という競技としてではなく、2人の物語としての結末を見るために集まったのが4万人の大半だったはずだ。
その朝倉を失えば、RIZINにとってはこの上ない痛手となる。話題性先行で興行を打ってきたRIZINは、自ら定めたタイトルに権威をつけることができていない。それどころか、一度は現在のタイトルホルダーである鈴木千裕にマニー・パッキャオとのエキシビションマッチに出場させる決定を下すなど、タイトルそのものを軽視するようなマッチメイクも平気で行ってきた。
そうした場当たり的で姑息な興行スタイルは団体そのものの成熟を阻害してきた。初期からRIZINを支えてきた那須川天心がボクシング界に去り、堀口恭司に続いて朝倉海も高い競技レベルを求めて海外に舞台を求めた。ここで朝倉未来まで姿を消すことになれば、RIZINにとってはまさに死活問題であると日刊サイゾーは報じている。
編集者:いまトピ編集部