『地面師たち』代表作になりそうな勢い「見事に演じている」
AmazonNetflixで7月25日から配信されている、綾野剛・豊川悦司主演のオリジナルドラマ『地面師たち』が好評だ。土地の所有者になりすまし、虚偽の売却をもちかけ金をだまし取る“地面師”と呼ばれる不動産詐欺集団の暗躍を描く本作。主人公のひとりで地面師グループの交渉役・辻本拓海を演じた綾野剛にとっては、新たな代表作となりそうな勢いである。
綾野といえば、2022年にガーシーこと東谷義和氏のYouTubeチャンネルでプライベートを暴露されたことで、俳優としてのキャリアが危ぶまれたこともあった。東谷氏のターゲットとなっていた綾野ら3人は、常習的に脅迫し名誉を毀損したとして東谷氏を刑事告訴。その後、東谷氏は、常習的脅迫、強要、名誉毀損、威力業務妨害の容疑で逮捕され、東京地裁による懲役3年・執行猶予5年の有罪判決が確定した。
「綾野さんは、ガーシー事件の被害者であるものの、暴露の対象となったことでスキャンダラスなイメージがついてしまった。ちょうどその頃、綾野さんは日曜劇場『オールドルーキー』で主演を務めていて、俳優として大きく飛躍するタイミングだったにもかかわらず、騒動が影響してか、仕事の方向性が少々変わったと見る業界関係者も多い。実際、『オールドルーキー』以降は、地上波ドラマではなく映画や配信ドラマ中心になっています」(ドラマ関係者)
そうしたなか、今回の『地面師たち』で綾野は、影がある知的な雰囲気の詐欺師を見事に演じている。
「そもそも綾野さんは、ダークな存在感、あるいは邪悪な雰囲気が個性となっている俳優さんです。人気が高まるにつれて明るい役も増えていたなかで、『地面師たち』では見事にダークな役を演じていて、本領発揮というところです。そもそも『地面師たち』のような犯罪集団にスポットを当てた作品は地上波では難しく、Netflixのようなネット配信向きだという背景もありますし、綾野さんは日曜劇場のような地上波のメジャー番組よりも、Netflix作品のほうがフィットしているのは間違いないでしょう。だからこそ、この『地面師たち』は綾野さんの代表作になっていくはずです」(同)
この『地面師たち』には、綾野剛だけでなく、もうひとり地上波から避けられている俳優が出演している。それがピエール瀧だ。もともと映画を中心に俳優活動をしていた瀧だが、NHKを中心に地上波ドラマの出演も多かった。しかし、2019年に薬物で逮捕されてからは地上波の作品には出演していない。
「原則、スポンサーへの配慮が必要ないネット配信作品は、スキャンダルを起こした俳優の復帰場所となりやすいという事情は、よく指摘されることです。また、大手事務所所属の人気俳優はネット配信作品のオファーを断ることが多く、スキャンダラスなイメージの俳優にも仕事が回ってくる。というのも、特にNetflixの作品は撮影期間が長く、スケジュールを押さえるのが大変なんです。地上波ドラマに多く出演している俳優にしてみれば、Netflix作品に長時間拘束されてしまうと、ほかの仕事ができなくなる。まだまだ地上波ドラマ出演は俳優にとって重要な仕事ですから、大手事務所などはそちらを優先しがち。結果として、地上波向きではない俳優の配信ドラマ出演が増えるというわけです」(映画関係者)
スキャンダラスなイメージがついてしまった俳優や個人事務所の俳優など、芸能界の“弱い”立場の者たちが活躍する配信ドラマ。『地面師たち』という起死回生の主演作に巡り会えた綾野剛は、俳優としてさらなる飛躍を遂げるはずだ。と日刊サイゾーは報じた。
編集者:いまトピ編集部