『スターバックス』3年ぶりの減少、業績不振と経営混乱「フラペチーノが飲めればよい場所」
日本では好調という印象が強いコーヒーチェーン大手スターバックスコーヒーだが、意外にも米国本社は業績不振でCEO(最高経営責任者)が更迭されるなどして経営混乱が続いている。なぜ日本と米国でそのような対照的な状況となっているのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
米国スターバックスの業績が低迷している原因は何であると考えられるのか。外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一氏はいう。
「4~6月期の既存店売上高が2%減と3年ぶりの減少となりましたが、細かくみると北米は3%減、その他の地域は5%減となりました。スターバックスといえば顧客にサードプレイスを提供するというコンセプトを重視していましたが、現在、北米は売上の約7割がドライブスルーとなっており、そうなると店舗は“単にコーヒーやフラペチーノが飲めればよい場所”に化してしまう。外食業界全体でインフレが進むなかで、徐々に競合他社との競争に巻き込まれ、加えてドライブスルー利用の増加やウーバーイーツ開始によってサードプレイスとしての顧客とのタッチポイントが減り、消費者にしてみれば“あえてスタバを選ばなければならない理由”が薄れたことも売上減の要因の一つだと考えられます。
2つ目の要因は中国市場です。中国では同国資本のラッキンコーヒーが躍進して、同国内の店舗数でスターバックスを抜きました。国内コーヒーチェーン1位の座を獲得すべく、新規出店時には赤字覚悟でとにかく新規出店と値下げの攻勢をかけるという戦略を進め、スタバの客を奪っていきました。このように北米以外の市場で競合他社の台頭に押されていることも要因として挙げられます」
と、ビジネスジャーナルが報じています。
編集者:いまトピ編集部