2024/9/3 18:39

セブンイレブン、撤退に追い込まれたが…レジ横ドーナツが7年ぶりに復活

セブンイレブン

大手コンビニエンスストアチェーン・セブン-イレブンは、2017年に撤退したレジ横でのドーナツ販売を7年ぶりに手掛ける。本日3日から首都圏の約5000店舗で販売を開始した。なぜセブンはレジ横ドーナツに再挑戦するのか。そして、店内で調理した揚げたてドーナツのクオリティはどう評価されるのか。業界関係者の見解を交えて追ってみたい。

「セブンは13年にレジ横に設置した専用マシンで入れたてコーヒーを提供する『セブンカフェ』を開始し、これが大ヒットした。この戦略の延長線上で、コーヒーのお供にドーナツを買わせることを狙った。開始当初はそこそこ売れたものの、肝心のドーナツがこれといって特徴のない商品だったため、徐々に売れなくなった上にレジ横の専用陳列ボックスが非常にスペースを食うし商品の補充が面倒ということで店舗からは不評で、撤退に追い込まれた」(コンビニチェーン関係者)

今回セブンがレジ横ドーナツとして発売したのは以下の3商品。

・お店で揚げたドーナツ(メープル):140円
 「メープル風味のドーナツを、もっちりふんわり仕上げました」(セブン公式サイトより)

・同(チョコ):160円
 「チョコレート味のドーナツを、もっちりふんわり仕上げました」(同)

・同(カスタード):160円
 「ふんわり食感の生地で、なめらかなカスタードを包んだドーナツです」(同)

 いずれも、購入時に受け取るグラニュー糖を袋に入れてシャカシャカと振ってまぶして食べるのが特徴だ。工場から店舗に冷凍された状態で商品が搬送され、店舗内で揚げて専用ボックスに陳列する。

 今回、セブンがレジ横ドーナツに再参入する理由について、コンビニチェーン関係者はいう。

「2年前から販売している店内で調理する揚げたてカレーパンが一定の人気を維持しており、製造と店舗への搬送についてカレーパンと同じラインを使うのではないかとみられてる。前回のレジ横ドーナツは工場で製造したものをそのまま販売する形態だったのに対し、今回は店内で揚げる“生ドーナツ”を謳っているが、なぜ今、再びドーナツなのか。その意図や理由はいまいちわからない」

 気になるのはドーナツのクオリティだ。コンビニチェーン関係者はいう。

「特段に強みとなるポイントや特徴があるドーナツとはいえず、実際に食べた人からは『油っぽい』『油臭い』といった感想も聞かれる。パン惣菜の陳列棚で売られている通常のドーナツと比べて、店内で揚げることによって何か優勢性が生じているとも感じられず、いたって普通のドーナツ。いわゆる“もっちり系”のドーナツで、オールドファッションやフレンチクルーラーではなく、たとえば『メープル』はミスタードーナツでいえば『シュガーレイズド』に近い。

 店舗数的にセブンのほうがミスタードーナツより圧倒的に多いため、アクセスのしやすさという面ではセブンに軍配があがるが、ミスタードーナツには常時、数十種類の商品が並んでおり、専門チェーンゆえにクオリティは高く、頻繁にバラエティーに富む季節限定商品も投入されている。なので、本当のドーナツ好きが、わざわざセブンで頻繁にドーナツを買うかは疑問だし、ドーナツに愛着のない人は買わないだろう。今回の新ドーナツが大きくヒットするという可能性はあまり感じられない。再挑戦も再び撤退という結果になる懸念もあるのでは」

 セブンは現在、レジ横ドーナツ以外にも、工場で製造されたドーナツとして、「チョコオールドファッション」(138.24円)、「カラフルチョコリングドーナツ」(149.04円)、「もちもちリング チョコ」(138.24円)、「もちもちリング シュガー」(138.24円)などを販売している(商品・価格は地域によって異なる)。また、ファミリーマートやローソンなど他のコンビニチェーンも各種ドーナツ商品を販売している。と ビジネスジャーナルは報じた。

「油臭い」…セブンイレブン再挑戦のレジ横ドーナツ、味が普通で不穏な気配 | ビジネスジャーナル「油臭い」…セブンイレブン再挑戦のレジ横ドーナツ、味が普通で不穏な気配 | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部