2024/9/5 10:13
西武池袋、デパ地下の食品売り場を7階に移動
西武池袋本店が地下階の食品売り場を地上7階に移動させたことが注目されている。「デパ地下」という言葉があるように、百貨店の食品売り場といえば地下階にあるというのが常識だが、なぜ地下階と決まっているのか。また、上層階で食品売り場を営業するというスタイルは今後、広まっていくと考えられるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
そもそも、なぜ百貨店では「デパ地下」が常識となっているのか。流通ジャーナリストの西川立一氏はいう。
「実務的な理由としては、食品売り場には水回りの施設などが必要なため、上のフロアにすると水漏れリスクなども生じますし、商品搬入の頻度・量が多いため、地下1階のほうが何かと都合が良く、逆に上層階だと運営上の支障が生じてきます。
集客面では、特に駅直結の百貨店の場合、改札口を出てすぐにアクセスできる場所に消費者の利用頻度が多い食品売り場を置いて集客し、上の階に客を回していく噴水効果が期待できます。ちなみに一般的に百貨店は地下が食品、1階が化粧品、2階から複数フロアがレディースファッションというフロア構成になっていますが、これは百貨店の主要ターゲット客が女性であることを意識しているためです」
常識に反して食品売り場を上層階に設置するメリットは考えられるか。
「食品売り場目当てで来店した客が、エスカレーターで降りる途中で“ちょっと興味が湧いたから”ということで別のフロアに立ち寄って購入につながるという逆噴水効果が見込めるかもしれません」(西川氏)
と、ビジネスジャーナルが報じている。
編集者:いまトピ編集部