感動作『映画』きょう『金ロー』日本国内だけでも興収108億円の大ヒット
おもちゃの世界を通して、人間社会の実相を描いてみせたのが、ピクサー・アニメーション・スタジオ制作のCGアニメ『トイ・ストーリー』シリーズです。第1作『トイ・ストーリー』(1995年)では、自分は唯一無二の存在だと思い込んでいたアクション人形のバズ・ライトイヤーが、工場で大量生産された商品のひとつに過ぎないと知り、ショックを受けます。家族のもとを離れ、社会人デビューした際に、誰もが似たような体験を味わったのではないでしょうか。
大人が観ても充分に楽しめる『トイ・ストーリー』シリーズの中でも、『トイ・ストーリー3』(2010年)は感動作として有名です。日本国内だけでも興収108億円の大ヒットを記録しました。9月20日(金)の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では、『トイ・ストーリー3』を放映します。『となりのトトロ』(88年)のトトロがゲスト出演し、マーゴット・ロビー主演作『バービー』(23年)として実写化されるバービー人形の活躍も見ものです。
SF映画『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(80年)など、名作映画のパロディがふんだんに盛り込まれた前作『トイ・ストーリー2』(99年)から、約10年。カウボーイ人形のウッディ、スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーたちは、おもちゃなのでそのままの姿ですが、彼らの持ち主であるアンディ少年は、17歳の若者に成長しています。大学進学に伴い、実家を離れることも決まっています。おもちゃで遊ぶことはすっかりなくなりました。
おもちゃたちは自分らがこれからどうなるか心配でなりません。不用品として処分されるのか、それとも屋根裏部屋へと追いやられるのか。いずれにしろ、子どものイマジネーションの世界で一緒に遊ぶことを生きがいとしている彼らにとっては、寂しい未来しか待っていません。
結局、アンディのお気に入りのウッディだけは大学に連れて行かれることになり、バズやカウガール人形のジェシーたちは、屋根裏部屋送りとなります。
見た目は変わらないウッディですが、以前とは異なる存在となっていきます。単なるおもちゃではなく、故郷を離れるアンディを厳粛に送り出す父性的な一面を備えたキャラクターとなっていきます。物語の最後は、子別れ・親別れのシーンと言っていいでしょう。おもちゃは子どもたちのイマジネーションを育む、大切な存在であることを改めて感じさせます。
三部作完結編を公開時には謳っていた『トイ・ストーリー3』でしたが、ウッディたちがさらなる冒険に繰り出す『トイ・ストーリー4』(19年)が公開されています。興行的には成功した『トイ・ストーリー4』ですが、せっかく『トイ・ストーリー3』が感動的なフィナーレだったのに……という不満の声も上がっています。ウッディらがおもちゃの自立を求めて旅立つという物語は、当初のシリーズとは別物になった感がするのも確かです。
9月27日(金)の『金ロー』は、スピンオフ作品『バズ・ライトイヤー』(22年)が放映され、2026年には『トイ・ストーリー5』が公開されることが決まっています。人気シリーズの宿命といえばそれまでですが、ウッディやバズたちはお客が呼べる間は、ディズニーから搾取され続ける運命にあるようですと日刊サイゾーは報じている。
編集者:いまトピ編集部