『格安スーパーチェーン店』閉店ラッシュ、5年間で20店舗まで減少【なにが】
「大阪の安売り王」として大阪では知らない人はいないとされる格安スーパーチェーン「スーパー玉出」が閉店ラッシュに見舞われているとして話題を呼んでいる。2019年には45店舗が営業していたが、この5年間で半分以下の20店舗にまで減少。今年9月だけでも5店舗が閉店しているが、同チェーンに何が起きているのか。
「スーパー玉出はその日その日の特売品や総菜類は確かに安いが、それ以外の商品は通常の価格とそれほど変わらない。また、精肉などの生鮮品の品揃えは魅力的とはいえず、玉出で生鮮品を買うことに抵抗がある人もいる。現在ではEDLP(エブリデー・ロープライス)を掲げて多くの商品を毎日、低価格で販売し、かつ生鮮品も充実させているスーパーも多く、玉出は厳しい競争を強いられているように感じる。また、20店舗程度の規模では、仕入れ先のメーカーに対するバイイングパワーもあまり発揮できず、他の大手チェーンと比較して、より踏み込んだ低価格で納入させることも難しい」(小売チェーン関係者)
そのスーパー玉出が前述のとおり閉店ラッシュとなっている。昨年には11店舗を閉店し、今年9月だけでも5店舗を閉店。背景には何があるのか。流通ジャーナリストの西川立一氏はいう。
「もともと玉出はメーカーや問屋、市場で在庫過剰になった商品や賞味期限が近付いた商品などをスポット仕入れで大量に安く調達するなどして、とにかく安さを追求する方針で成長してきました。しかし近年ではオーケーや西友、ロピアといったEDLPを掲げる大手スーパーが勢力を拡大しつつあり、システムも構築・導入するなどコストを削減し、正規ルートでメーカーから仕入れ、低価格を実現、生鮮食品も一定の品質を担保するようになりました。消費者もスーパーに対し、安さに加えて一定の品質を求めるようになり、とにかく安さだけを追求してきた、いわゆる昔ながらの安売りスーパーは消費者に選ばれにくくなってきました。今年、関東エリアを主戦場としてきたロピアとオーケーが大阪に出店して関西に進出するなど、有力な大手のディスカウントスーパーが攻勢をかけようとしていることも、大きな背景としてはあるでしょう」と、Business Journal が報じた。
編集者:いまトピ編集部