異例の『冠番組』バラエティ界の天下を取るかも
挑戦的なバラエティ番組がラインナップされる、テレビ朝日の深夜枠『バラバラ大作戦』。10月に始まった新番組のなかで異彩を放つのは元テレビ東京アナウンサー・森香澄による冠番組『森香澄の全部嘘テレビ』(毎週水曜深夜26時34分)だ。
今年6月に『バラバラ大作戦』のチャレンジ枠である『バラバラマンスリー』にて、1カ月限定で放送されていた同番組。森が「キャバクラ嬢体験」、「渋谷でナンパ」、「自宅訪問」といった企画に挑戦するという内容だが、タイトル通り、基本的には“全部嘘”であるフェイクドキュメンタリーの体裁である。しかし、森の“あざとい一面”が全面に押し出されるなど、「もしかしたら本当かもしれない」と思わせるような演出が随所に散りばめられているのが特徴だ。
レギュラー第1回となった10月2日の放送では、“副業でビールの売り子をやっている”という設定で、森が実際にZOZOマリンスタジアムで売り子として働く様子に密着したVTRが放送された。
売上1位を目指すべく、「笑顔が重要」「目を見ると買ってくれる」「積極的に会話をして自分のファンを増やしていく」などのテクニックを駆使し、さらには「次もわたしから買ってくれたら、いいことあるかもしれません」という殺し文句まで繰り出す森。
しかし、男性スタッフから「キャバクラみたいな接客はやめて」と注意されると、今度は常連客のところにいって「どうしても1位になりたいんです」とおねだりする。あくまでも“全部嘘”なのだが、あまりにもリアルな“あざとい接客”にネットがざわつく展開となった。
「番組内での森さんのような“キャバクラ接客”をテレビで見せると、実際の売り子にもそういった接客を求める客が増えて売り子に迷惑がかかるのではないか、などという声がSNSなどで多くありました。もちろんフィクションだとわかったうえで“ツッコミ”として投稿するSNSユーザーもいるんですが、イマイチ“フェイク”がどういうことかわかっていない人もいたようです。フィクションなのに炎上したという点では、森さんにとっては損な役どころではあったでしょう」(ネットメディア関係者)
10月9日放送の第2回で森はメイドカフェのメイドに挑戦し、そこでもまたもや“あざとい接待”で売上を伸ばす。さらに10月16日放送の第3回では、1人で居酒屋に行って一般客と相席し、そこで聞き出したエピソードを“自分の持ちネタ”として、バラエティ番組のスタッフとの打ち合わせにて披露。番組全体を通して、さまざまなスタイルの“あざとさ”や“計算高さ”を次から次へと見せるのだ。
フェイクドキュメンタリーではあるものの、“ビールの売り子”の回のように、ネット上で批判にさらされる可能性があるのは事実。ただしだからといって方向性は変わらず、森は存分に“あざとさ”を繰り出していく。
ネガティブな反応をものともせず、“あざとさ”を武器として活用する先輩には田中みな実が思い浮かぶが、元女子アナが“あざとさ”を武器にする処世術には、どういったメリットがあるのだろうか。また、田中と森における“あざとさ”の違いは何か。女子アナウォッチャーの丸山大次郎さんはこう分析する。
「あざとさのメリットは、単純に良くも悪くも『目を引きやすい』という点です。本来は〝裏方〟であり、真面目さが求められたアナウンサーが〝あざとい〟というキャラを見せるだけでギャップとして印象に残りやすいのではないかと思います。そのなかで、田中みな実アナは女性として生きるうえで〝あざとさ〟を意識的に利用していて、まさに『何が悪いの?』というスタンスです。
一方、森香澄アナはファッションやメイクなど、好きなことをしていたら〝あざとく〟なったという無意識性を感じさせるイメージ戦略。そこにふんわりとした柔らかなルックスが加わることである種の〝無邪気さ〟が感じられて、人を虜にする魅力が生まれていると思います。そのため、元アナウンサーらしからぬ振る舞いをしていてもどこか許されてしまうキャラクターを確立していて、これまでのフリーアナとは一線を画す存在です」
近い将来、究極のあざとさを武器に、森がバラエティ界の天下を取るかもしれないと日刊サイゾーと報じている。
編集者:いまトピ編集部