『ドラマ』ストレス!話が進まないし何か言いそうで言わない「批判の原因は」
第5週に入り、阪神・淡路大震災について語り始めたNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』も第23回。今回は糸島フェスの打ち上げということで、おいしそうな郷土料理がたくさん出てきて眼福でございました。
誰に何を言われても、含みを持たせて口を閉じる。このドラマで、ずっと結ちゃんが採用してきた態度です。そしてその後、「この複雑な心境、視聴者のみなさまもどうかお察しください」とでも言いたげにハシカンの戸惑いフェイスを2~3秒差し込むわけです。
一方、家に帰ってきたけど打ち上げなんかに参加する気分じゃない姉のアユ(仲里依紗)は自室と玄関を行ったり来たり。こちらも何か言いたげですが、特に何も伝えてきてはくれません。
『おむすび』への批判の声として「話が進まない」「展開が遅い」というものがありますし、個人的にもそう感じていましたが、こういうとこなんだと思うんだよな。「何か言いそうで言わない」という演出を多用しすぎてる。そりゃ朝ドラは20週もやるわけだから、後々説明できる場面はいくらでもあるということなんだろうけど、見てる方は1分1秒見てるわけですよ。常に今なんだよ。今感じていることを、今聞きたいんだよ。伏線というのは、伏線自体がおもしろくなかったら回収を待っていられないんです。ストレス!今回、震災はお料理をしながらママ(麻生久美子)の回想という形で描かれました。一家が神戸から糸島に移り住むきっかけとなったお話。
5日目におじいちゃんが糸島から弾丸でやってきて、すぐに越してこいって言ってたんですね。神戸に恩義を感じているパパ(北村有起哉)は「残る」って言うけど、市役所の人も「仮設には行き場のない人に暮らしてもらいたいから、帰る場所がある人は帰ってほしい」とパパを諭します。このへん、リアルな声って感じでよかったですね。現実的だし、思いやりもある。
おそらくは取材をもとにした事実ベースのセリフなんでしょう。『おむすび』が糸島パートでやってることって、例えば神戸パートのこのシーンでおじいちゃんに「一家で糸島に帰ってこい」と言われたパパが「うーん……」と言って、居合わせたパパのお友達が「うーん……」と言って、市役所の人が「うーん……」と言う。みんなで困った顔をして、次回へ。そういうことをずっとやってる感じなんですよ。
震災はシリアスな状況だから、という話は通りません。高校生の人生を生きている結ちゃんにとっては書道部だってハギャレンだってシリアスであるはずだし、シリアスじゃないならドラマなんかで描くべきじゃないでしょう。
1分1秒にシリアスであってよ。そういうことです、と日刊サイゾー が報じた。
編集者:いまトピ編集部