佐々木朗希(23)に疑惑
千葉ロッテマリーンズは11月9日、佐々木朗希投手についてポスティングによる米メジャーリーグ球団への移籍を認めると発表した。
佐々木のメジャー挑戦については、正式発表数日前から現地記者たちがXなどで移籍、あるいは残留について言及。中には「ここ数日の間に発表されるだろう」と具体的に踏み込んだ内容もあり、その動向が注目されていた。
注目度の高さゆえか、移籍に向けての動きは球団も用意周到だった。9日午後3時にはまず佐々木のコメントを発表した。
「入団してからこれまで継続的に将来的なMLB挑戦について耳を傾けていただき、今回こうして正式にポスティングを許可していただいた球団には感謝しかありません。ロッテでの5年間はうまくいかなかったことも多かったですが、どんな時もチームメート、スタッフ、フロント、そしてファンの皆様に支えられながら、野球だけに集中してここまで来ることができました。一度しかない野球人生で後悔のないように、そして今回背中を押していただいた皆様の期待に応えられるように、マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」
吉井理人監督も「チームとしてはもちろん、とても痛いです。ただ自分もアメリカでプレーをした事があるので気持ちはものすごくわかります。そして若い今、チャレンジしたいという気持ちも分かります。未完成な部分は正直、まだまだありますが、アメリカで自身を磨き、さらにレベルアップすることも出来るのではないかとも考えます。2020年、石垣島キャンプのブルペンで初めて目にした彼の投球は私にとって野茂英雄を初めて見た時以来の衝撃でした。それを向こうでぜひ証明して欲しいです。頑張ってください」と快く送り出す姿勢をコメントで示した。
ただ球団関係者に言わせると、このタイミングでのメジャー移籍は決してプラスには働かないようだ。
「佐々木は入団交渉当初から将来的なメジャー挑戦を訴えていて、球団と密約があったとまで言われています。本人は夢を実現させたいと言い続けていたのですが、昨年オフはなかなか契約更改が進まず、合意に達したのは今年1月26日のこと。直後から『ゴネ得』『成績を残してメジャーに行け』とネットを中心にファンの荒れた声が多数見受けられました」
球団の松本尚樹本部長は9日午後、ZOZOマリンスタジアムで報道陣の取材に対して入団交渉時から早期のメジャー移籍容認に関する約束があったのかを聞かれると「これは実際、本当にないですね」と否定。だが、さるパ・リーグ球団スカウトは次のように語る。
「ドラフト会議前、当時大船渡高校の佐々木側と、ドラフト指名を希望する球団との間で、面通しがありました。球団からは育成方針、佐々木側から将来の希望や疑問点などを確認し合う場だったのですが、その時点でメジャー球団への早期移籍というのは必須条件で、マッチングできない球団は獲得を見送ったと言われています。今回、移籍が実現しても譲渡金は決して高額ではない。間違いなく“約束”がないとこの移籍は実現できなかった可能性も高い」
さらに前出の球団関係者は、かつてドラフトで大問題となった江川卓を彷彿させると頭を抱える。
「このままではプロ野球選手を終えても、ずっと悪役のイメージがついてまわってしまう。かつて、巨人入団まで揉めていた江川卓は圧倒的な実力を誇りながらも、1978年の“空白の一日”事件によるドラフト外入団により、現役時時代、中でも形式上、ドラフト1位指名した阪神ファンからのバッシングは尋常ではなかった。今は一挙一動がSNSで取り上げられ、どこにいても色眼鏡で見られるだろう。その覚悟を本人が持っていればいいのですが……」
佐々木は現在国内にいるものとみられるが本拠地での秋季キャンプには参加しておらず自主的に体を動かして雲隠れている。11月17日にはZOZOマリンスタジアムでファン感謝祭が開催される予定で、佐々木のロッテのユニフォーム姿はラストになる可能性が高い。野球ファンとしては彼の挑戦にエールを送りたいが、観客はどんな反応をみせるのだろうかと日刊サイゾーは報じている。
編集者:いまトピ編集部