今年『倒産』25件『休廃業・解散』101件...「コンビニより多い」は、もはや過去
依然として少子高齢化に歯止めがかからない日本。その歪みはあらゆるところに現れ、歯科業界も急激に高齢化が進んでいるという。
11月6日に帝国データバンクが発表した「歯科医院」の倒産・休廃業解散動向(2024年1〜10月)によると今年、発生した歯科医院の倒産(負債額1000万円以上、法的整理)は25件、休廃業・解散も101件発生し、10月までに計126件に上ることが明らかとなった。
この数字は昨年の通年件数(104件)をすでに上回って年間最多件数を記録しており、「歯医者」の淘汰が今までにないペースで進んでいることが話題を呼んでいるのだ。
また、近年は歯科医の高齢化が要因とみられる廃業も目立っており、24年に「休廃業・解散」となった歯科医院の代表者年齢は69.3歳、最高齢は93歳と集計可能な16年以降で最高値を更新した。
「歯医者はコンビニエンスストアよりも多い」と言われて久しかったが、最近は供給過多な市場環境に加え、歯科衛生士などの人手不足や虫歯治療で用いる銀などの合金をはじめ、物価の高騰に伴う材料費などの値上げも重なり、収益環境も厳しい状況となってきた。
さらに、昨年4月からはマイナ保険証を使うオンライン資格確認が原則義務化され、新たな設備投資が必要となったことも廃業に拍車をかけたとみられている。
一方で、最近は虫歯治療に代わり、ホワイトニングなどの審美目的の患者に対応することで生き残りを懸ける歯科医院も増えてきている。
しかし、対応するためには新たな設備投資が求められることから、高齢の歯科医は廃業や倒産を選択する可能性が高いようだ。
歯を維持しようとする高齢者が増える一方で、その歯をケアし見守るはずの「歯医者」が高齢化でいなくなってしまうとは、なんとも皮肉な話であると週刊実話WEBは報じている。
編集者:いまトピ編集部