世間はもう求めていない...?「いなくても全然、問題ないよね」という空気か
松本人志が「週刊文春」に対する訴訟を取り下げてから、10日あまりが経過した。これには様々な見解があるが、例えば11月17日の「ワイドナショー」(フジテレビ系)では、古舘伊知郎が次のように発言。
「取り下げるぐらいだったら『闘います』って言わなければよかったと思う」
まさにその通りだ。喧嘩を売っておいて旗色が悪くなるや、「ちゃいますやーん。そんなんちゃいますやーん」と上げた拳を引っ込めて卑屈に笑っているようで、どうにもダサすぎる。田村淳もこの番組で、「どこが事実無根だったのかとか、松本さんの口から聞きたいなと思っている」
これもその通りで、松本は「説明責任」を果たす必要があろうが、その予定は今のところない。いずれにしても、これらの発言が自身のかつてのレギュラー番組において、事務所の後輩芸人たちから出てくる時点で、松本の復帰は容易ではないと思われる。
しかも、ダウンタウン一強だったお笑いの世界においては「松本人志がいなくても全然、問題ないよね」という空気が日増しに強まっている。
松本の活動休止を受けて「人志松本の酒のツマミになる話」(フジテレビ系)は「酒のツマミになる話」へとタイトルが変わり、大悟(千鳥)がMCを引き継いだ。その際、放送作家の鈴木おさむ氏から「どうなんですか、こういう状況で(代役を)やることになった(気持ちは?)」と聞かれた大悟は、「本当ならば、力ずくで奪いたかった」事実、もはや「ポスト松本の本命は大悟」という機運が高まっているのだ。
先日放送の「テレビ千鳥」(テレビ朝日系)では、サンドウィッチマンと「5番勝負」を行う企画だったが、そこで大悟は「サンドウィッチマンがおる限り、ワシらは1位になれんわけや」と言い、相方のノブも「俺らの天下を阻んでるのはサンドウィッチマン」と続けた。
松本不在中にお笑い界の覇権争いは、すでに千鳥とサンドウィッチマンの2組による頂上決戦となっていると、高らかに謳ってみせた番組だった。それはつまり、「松本さんが復帰して、ダウンタウンが揃ったところで、あんたらはもう頂上じゃないよ」と宣言しているのに等しい。
ちなみ11月11日放送「クレイジージャーニー」(TBS系)2時間SPの冒頭で、2015年1月1日放送の第1回目の映像が流れ、松本が話す姿が少し映った。ここで松本は設楽(バナナマン)と小池栄子に向かって「2人の番組やから」と言うと、2人は「いやいや、違いますよ。(松本が)柱じゃないですか」と返していたのだが、はたしてこれを挿入した意図は、松本復帰を視野に入れてのことか、はたまた松本自身が言っていたように「これは設楽と小池の番組です」という番組側の意思表示なのか。
いずれにしても、松本の映像に対し、あからさまな拒否反応を示した視聴者は「#松本人志をテレビに出すな」で対抗。わずか半日で10万件も拡散されたというから、松本の復帰はますます容易ではなさそうだ。
そんな状況に危機感を抱いているように見えたのが、11月17日の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)だった。「第1回ガキの使いやあらへんで!チキチキ東京23区まっちゃんの店完全制覇」と題し、都内の「まっちゃん」と名の付く飲食店に、浜田が単独で取材交渉に乗り込む。そして店側からOKをもらったら、ココリコや月亭方正らの出演陣とスタッフが入店し、その店のお勧め料理を食べるという企画だった。
ハンディカメラを手に、嫌々ながらロケ交渉をしていた浜田が、徐々にノッてきたのか、3軒目あたりから「まっちゃんに浜ちゃんが来ました!」と元気に入店。企画内容ゆえ、出演者の口からはもとより、ナレーションや、店名の由来を話す店主から「まっちゃん」が連呼されることに。
訴訟取り下げを受けて(ロケ自体はそれより前なのだろうが)の、松本復帰への下準備のように見えて、エンドロールの「企画構成 松本人志」の文字がいつもに増して、鼻につきまくっていた。復帰への道のりはやはり、遠いとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部