2024/11/24 13:06

『日米Wシリーズ構想』撤回へ

野球

ドナルド・トランプ氏(78)の米大統領返り咲きを前に、孫正義氏の動きがあわただしくなっている。安倍晋三元首相亡き今、トランプ氏が最も信頼を寄せる日本人が孫氏だからだ。

両者の関係が決定的になったのは、初回の大統領選。就任直後にニューヨークのトランプタワーを電撃訪問し、米国のIT分野を中心とした新規企業に「約5.7兆円の投資と5万人の新規雇用」を約束。この“就任祝い”でトランプ氏を虜にした。

トランプ氏をめぐっては、石破茂首相も早期対面を打診しているが、来年1月20日の就任式までは難しいと、けんもほろろ。しかし、孫氏に対しては会談日程を調整しているという。

ソフトバンクグループが先週発表した2024年4〜9月期決算は、純利益が1兆53億円。「チャットGPT」など人工知能(AI)関連の株式投資が貢献した。今回も数兆円規模の土産を持参するとみられるが、見返りの一つがソフトバンクのMLB参加支援という。

狙いはAI頭脳を野球の戦術に取り入れ、それを各種事業にフィードバックして新たなビジネスモデルを作り出すことにある。

「ベンチ内にiPadさえ持ち込めない日本のプロ野球と違い、米大リーグは電子機器の使用が試合中も可能。AI信奉者の孫氏がMLB参入に力を込める狙いがここにある」(スポーツ紙記者)

孫オーナーは’05年に福岡ソフトバンクホークスでNPBに参戦して以来、日米の王者が世界一を決める「リアルワールドシリーズ」実施を提唱してきた。だがそれを撤回し、MLB参入に舵を切ったのは、今年の日本シリーズが原因だ。

2位日本ハムに13.5差でぶっちぎりのパ・リーグ優勝を果たしたものの、日本シリーズではセ・リーグ3位から進出したDeNAに敗退。この理不尽なシステムがまず一つ。

さらに、日本シリーズのテレビ中継の裏でフジテレビが大谷翔平(30)の出場するMLBのワールドシリーズ「ドジャースvsヤンキース」を録画放送。話題性は米大リーグに完敗だった。そこでコペルニクス的大転回を図ったのだ。

「我々の目標は日本一ではない。世界一」

日本シリーズ後、孫オーナーはそう言ってソフトバンクグループ首脳、王貞治球団会長、小久保裕紀監督以下、ホークス関係者を叱咤激励したという。

MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、任期が満了する’29年1月までに「あと2球団増やす」エクスパンション(球団数拡張)を打ち出している。

候補の一つはカナダのモントリオール。長年エクスポズの本拠地だったが、ワシントンDCに本拠地を移転してワシントン・ナショナルズに。カナダのチームはトロント・ブルージェイズだけとなり、元巨人のクロマティ氏を中心に「球団招致が必要」と訴えている。

もう一つは今季、トレバー・バウアー(33、元横浜DeNA)が10勝無敗で年間最優秀投手賞に輝いたメキシカンリーグの強豪レッドデビルズだという。

ところが、「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」「移民規制強化」を掲げるトランプ氏が大統領に返り咲き、マンフレッド氏のエクスパンション構想が方向転換。メキシコが消え、代わりに「米国内にもう1球団」が浮上した。そこに孫氏の意向が透けて見える。

「実は孫氏の“大リーグ参入”は、3年前にも噂された。アスレチックス(ア・リーグ、西地区)がMLBから老朽化した球場の建て替えを命じられた際、土地所有者の市と金額が折り合わず頓座。球団売却が浮上し、孫氏が候補に挙がりました。アスレチックスの本拠地オークランド市は、孫氏がカリフォルニア大学バークレー校時代に住んでいた地で起業家となった出発点。その“故郷”に新球場を建設し、オーナーに就くのではと思われました」(前出・スポーツ紙記者)

結局アスレチックスの経営陣は、ラスベガス(ネバダ州)に球場建設用地を取得して本拠地移転を決め、計画はフェードアウト。しかし、今度は既存球団の買収ではなく、新規球団での参入。オークランドも可能だし、『Google』『Apple』『Meta』やトランプ次期政権で「政府効率化省」のトップに就くイーロン・マスク氏のEV(電気自動車)メーカー『テスラ』の本社機能を持つ施設のあるシリコンバレー地区も近い、サンノゼやサクラメントも有力だ。

「サプライズは、米国トヨタの企業城下町、カリフォルニア州ロングビーチ。ソフトバンクはEVの自動運転時代を見据え、トヨタと共同出資会社『モネ・テクノロジーズ』を設立している。いずれにせよ、本拠地は大谷翔平、山本由伸が活躍するドジャースと同じカリフォルニア州になるでしょう」(同)

球団が増設された場合、新球団は既存チームから選手を分配されるエクスパンション・ドラフトを活用できる。それに加え、日本に有力球団を有するソフトバンクは、大きなアドバンテージを持つ。

「球団を2分割するなどして選手、スタッフが移動するのではないか。数年単位で入れ替えれば、双方の強化につながる。昨年から四軍制(選手、支配下選手計122人)を敷いたのも日米2方面作戦が狙い。マリナーズでも活躍した球団会長付特別アドバイザーの城島健司氏の下で準備は進んでいる」(球団OBの解説者)

ソフトバンクのMLB新球団誕生が楽しみだ、と週刊実話WEBが報じている。

孫正義氏「日米Wシリーズ構想」撤回へ 今度は「米国ソフトバンク」でMLBに新規参戦か/サマリー|週刊実話WEB孫正義氏「日米Wシリーズ構想」撤回へ 今度は「米国ソフトバンク」でMLBに新規参戦か/サマリー|週刊実話WEB

編集者:いまトピ編集部