ローソン、物議
「マヨラー待望の新商品」「マヨネーズ風ドリンク」と銘打たれた本日(26日)発売のローソンの新商品「飲むマヨ」(198円)が話題を呼んでいる。「マヨのコクと酸味をチルド飲料で再現」(ローソン公式サイトより)したという一品で、好き嫌いが分かれそうな商品だが、その味やクオリティをどう評価するか。また、ローソンがこのような商品を発売した背景・狙いは何であると考えられるか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
全国に14,643店舗(2024年2月末現在)を展開するローソンは、店舗数ベースでは国内コンビニ業界でセブン-イレブン、ファミリーマートに次ぐ3位。早くから「コンビニスイーツ」というジャンルに注力してきたこともありスイーツ系商品に定評があり、昨年発売した「じゅわバタ塩メロンパン」(160円)は累計1700万個以上も売れる大ヒットとなっている。ここ数年は毎年、一部商品を期間限定で値段据え置きで大幅に増量するキャンペーン「盛りすぎチャレンジ」を展開。今年2月のキャンペーンでは「盛りすぎ!プレミアムロールケーキ」や「盛りすぎ!たまごサンド」などがあまりに人気で入手困難な状況となり話題となったことも記憶に新しい。
経営的には4月にKDDIによるTOB(株式公開買い付け)が成立し、三菱商事とKDDIが株式の50%ずつを保有する形態となり、7月に上場廃止。三菱商事の持分法適用会社となった。
そんなローソンが物議を醸しそうな新ドリンクを発売した。パッケージにはマヨネーズのイラストとともに「マヨネーズではありません」「社外秘ではない」といった遊び心にあふれる記述もみられるが、SNS上には実際に食べた人たちからは以下のような声があがっている。
<水溶きマヨネーズの味がしました>
<本当にまずかった>
<想像よりマズかった>
<飲めないほどではないがマズイ>
<飲むたびにうぇ…って声出る>
<本当にマヨネーズ味の液体のため、おいしくありません>
気になるそのお味だが、フードアナリストの重盛高雄氏はいう。
「目をつぶって喉に流すと、確かにマヨネーズらしい酸味を感じました。マヨ好きな人には愛飲されることでしょう。また、テスト販売中という文字について、マヨ好きな消費者以外にもささる表記だと感じました。売れなければ価格を見直すか、ひっそりと退場することになるでしょう。一息で全部飲むにはハードルの高い商品ですが、ローソンは他にもマス狙いではない尖った商品を販売しており、他社にはない切り口で消費者に足を運ばせるのが狙いだと思います。
コンビニ業界首位のセブン-イレブンが低価格戦略に舵を切ったなかで、競合他社は商品戦略の面で工夫をしていくことになると思われます。コンビニ業界の戦いが新しいフェーズを迎えたという印象を受けます」
また、年間1500種類以上のコンビニ飯を食べるコンビニグルメ研究家でサイト「いぬきちのコンビニ飯」を運営する「いぬきち」氏はいう。
「率直にいって賛否両論が分かれる商品だと思います。マヨネーズをダイレクトに飲んでいるような感覚で、飲み物として単品で飲むのはちょっと厳しく、おかずのような感覚でパンと一緒に飲むというのが一番しっくりときそうですが、それでもパンにマヨネーズをつければ良いだけで、個人的には半分しか飲めませんでした。かなりニッチな層には受けると思えるドリンクで、リピートというよりも話題を求めた商品だと思います。
では、ローソンがこのような賛否両論を呼びそうな商品を発売した背景・狙いは何であると考えられるか。実食した30代男性は「死ぬほどマズイ。なぜこんな商品を発売したのか意味が分からない」というが、大手コンビニチェーン関係者はいう。
「マジョリティーではないものの、とにかくマヨネーズが好きという消費者は一定数おり、そういう人は一人で何個も購入したりリピーターになってくれる可能性もあるため、安定的に売れる商品になることが期待でき、ローソンとしては試行的に販売してみたということではないか」
と、ビジネスジャーナルは報じた。
編集者:いまトピ編集部