結婚を発表「才色兼備でお嬢様すぎる」「チヤホヤされるのを好むタイプではない」
中国の習近平国家主席のライバルと称され、2012年に失脚した薄熙来元重慶市共産党委員会書記の息子、薄瓜瓜氏が台湾出身の女性と結婚した。
父親の熙来氏は、かつて、格差是正や平等・公平を錦の御旗に「共同富裕」や、犯罪組織を一斉検挙する「打黒」などの大キャンペーンを展開。既得権益に巣食う政府の腐敗幹部や黒社会、地下経済を強引に排除したことで、大衆の人気を集めた人物だ。
ところが、2012年2月に発生した側近のアメリカ領事館亡命未遂事件をきっかけに、妻による英国人実業家殺害や不正蓄財、女性との不適切な交際などの数々のスキャンダルが次々と報じられ、政治生命を絶たれた。
この失脚事件については、いまだ多くの部分が謎に包まれたままだが、妻の谷開来氏と共に、無期懲役囚として獄中の身である。
次々と暴かれたスキャンダルの1つには、今回の主役である新郎・瓜瓜氏も登場した。
フェラーリ「F80」や高級マンション、クレジットカード、高級ブランド時計、航空券、セグウェイ等など……。すべて瓜瓜氏への賄賂ではないかと、当時の報道で挙がった品々である。
父親の熙来氏が共産党革命に参加した経験がある高級幹部の子弟である「紅二代」、孫の世代が「紅三代」。紅二代の威光を利用したい輩にとって、紅三代へ便宜を図るのは、中国ビジネスでは常識、成功への最短ルートである。
「熙来氏の罪状は、遼寧省時代の職務に絡んだ約2000万元(約3億2000万円/当時のレート ※以下同)の収賄罪と約500万元(約8000万円)の横領罪、重慶市共産党委員会書記時代の職権乱用罪です。ただし、あんなものは、氷山の一角にすぎません。今年1月に、CCTV(中国国営テレビ)が報じた、同じ東北地方の遼寧省警察トップが3代にわたり受け取っていた賄賂額――250億円以上と比較しても、桁が2つも少ないじゃないですか。まかりになりにも、彼の父親は、次の国家主席候補として、習近平より格上と目されていました。その息子への便宜供与に対する見返りは、金額の大小で推し量れるものではない」(香港紙記者)
両親が母国中国で被告として裁かれている当時、米ハーバード大学に留学中だった瓜瓜氏は、以下のような両親を庇う声明を発表している。
・学費と生活費は奨学金と母親の貯蓄で賄われている
・中国国内国外で営利目的のビジネスや企業に参画したことも、名前を貸したこともない
・高級スポーツカーのフェラーリを運転したことや中国にある米国大使公邸を訪れたことは一度もない
「瓜瓜氏クラスの『紅三代』の脇の下が甘いはずなど絶対にありません。ましてや父親は打黒キャンペーンのけん引役でした。政敵や黒社会から報復される恐れすらあるぐらいで、実名で声明を出すようなリスキーな行為に、驚かされたことを覚えています」(前出・香港紙記者)
台湾メディアによると、夫婦は11月23日、台湾北部の新竹市で、内輪だけのプライベートな結婚披露宴を開催した。
瓜瓜氏のお相手は許惠瑜氏(30代後半)。台湾宜蘭県羅東で代々、大病院グループを営む名家出身で、15歳でイギリスに留学し、その後ロンドン大学とコロンビア大学で学位を取得、教育分野で活躍している才媛。いわゆる台湾華僑だ。
加えて、ご覧のとおりの美貌である。2人の兄の下の一人娘として、両親の寵愛を受けて育ったという。現地では「甘やかされた末っ子と思いきや、教養あふれ、自分の意見が言えるキャリアウーマン。チヤホヤされるのを好むタイプではない」と報じられている。
2人は、コロンビア大学で留学時に運命の出会いをしたという。瓜瓜氏は2016年にニューヨーク州の弁護士資格を取得後、翌年、カナダのバウアー・グループにビジネスアナリストとして入社している。惠瑜氏も今年3月まで大手海外大学専門進学塾カナダ校のトップを務めていた。今後2人は、生活拠点があるカナダへ戻り新婚生活を送る見通しだ。
直接的な相続税が存在しないカナダは中国系移民(華僑)の間でも人気の移住先のひとつ。華人コミュニティは大規模かつ重厚で、多文化主義を掲げるカナダ社会の中で重要な役割を果たしている。
ドラマティックなカップルの披露宴に、現地報道も「あの薄熙来の息子が台湾の『婿』になった!」と加熱気味。テレサ・テンの名曲『時の流れに身をまかせ』に合わせ2人がダンスを披露し、キスのあと新婦が恥ずかしそうにする動画まで流出している。
一般的に、台湾女性は男性に誠実さ、信頼、コミュニケーション、ロマンチックな要素を重視する傾向が強い。また経済的・精神的に自立している人が増えており、結婚生活でも対等な関係を求めることが多くなっている。
台湾女性の姐さん女房気質を示すエピソードがある。
かつて「世界の工場」と呼ばれる広東省をけん引したのは台湾系企業だ。シャープを買収した鴻海精密工業もそのひとつ。1980年代から2000年代にかけて、広東省に進出した台湾企業の数は数万社にのぼり、一部の地域では「台湾村」と呼ばれる台湾人居住区や台湾企業が集まる産業団地を形成していた。
当然、単身で赴任する男性駐在員も多く、そこでお約束の浮気が懸念されたわけだが、奥さまたちの対応は早かった。
台湾人向けの月刊生活情報誌を発行し、台湾人男性が好んで出入りするようなホテルや飲食店などにまんべんなく配布。そのうえで、なんと「私はいつでもどこでも睨みを効かせているわよ!」とばかりに、毎号の表紙を現地進出企業の社長夫人や女性経営者で“ジャック”したのだ。
前出の香港紙記者は指摘する。
「台湾女性は情が深い分、強かですよ。わざわざ台湾の国別番号『+886』が表示されるよう電話をかけて台湾に居ると装いながら、夫の現地住居に突然おしかけ、証拠を抑えるなど序の口です。そうやって旦那の首根っこを掴んだうえで、大陸女性相手の火遊びなんてすぐ飽きるだろうと、現地妻にこっそり“お小遣い”を与えたうえで『うちの旦那が浮気しないようしっかり見張れ。手料理で健康管理しろ。今日から私をお姐さんと呼びなさい』と釘を指すのです」
ある意味、父親の失脚事件でのおかげで世界で最も有名な「紅三代」となった薄瓜瓜氏。そんな彼でもあっけなく尻に敷かれそうなあたりに、中国と台湾の緊張関係を緩和するヒントがありそうだ、と週刊実話WEBが報じている。
編集者:いまトピ編集部