『ドラマ』視聴率6.7%「視聴率という物差しでは面白さを測ることができない」
視聴者の悲鳴が聞こえてくるようでした。幸せの絶頂から、不幸のどん底へ。神木隆之介主演の日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)は、運命の日「1964年8月17日」に向かって突き進んでいます。
世帯視聴率は6.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区調べ)と先週の7.4%からさらにダウンしてしまった『海ダイヤ』ですが、考察系ドラマとしてネットユーザーたちを大いに楽しませています。従来の視聴率という物差しでは、テレビの面白さを測ることができない時代になっていることを痛感させます。
第6話が最終回だったら、視聴者は大喜びしたことでしょう。こんな大団円エピソードはそうそうありません。新垣結衣&星野源共演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)を大ヒットさせた脚本家の野木亜紀子ですが、今回の『海ダイヤ』は甘い終わり方にはならなそうです。
第6話の本編終了と同時に第7話の予告が流れ、軍艦島の運命が変わった1964年8月17日、炭坑内火災事故が起きることが告げらました。
死傷者が出た大事故で、この事故がきっかけで軍艦島は衰退へと向かうことになります。鉄平たちも、事故に巻き込まれることになりそうです。第6話があまりにもハッピーすぎたために、第7話は悲劇へと転落していくことを覚悟する必要がありそうです。
出産を控えていたリナが語っていた「今の幸せの下には、たくさんの犠牲がある」という言葉が、重くのしかかります。
それにしても、第6話のエンディングはお見事でした。鉄平が朝子に告白するシーンで、King Gnuが書き下ろした主題歌の「ねっこ」がドンピシャのタイミングで流れました。
「ささやかな花でいい 大袈裟でなくていい ただあなたにとって価値があればいい」
派手なことは苦手だけど、平凡な日常生活を愛する鉄平と朝子。そんな2人がお互いに惹かれ合う心情が、曲の歌詞からもありありと伝わってきました。
敗戦でボロボロになりながらも、日本が奇跡の復興を遂げて高度経済成長できたのは、軍艦島のような危険を伴う炭鉱で汗水流しながら働く人たちがいたからです。島を愛する鉄平や朝子たちにピッタリの主題歌です。
若いキャストたちの恋愛エピソードが盛りだくさんだった第6話ですが、鉄平の父・一平を演じたベテラン俳優の國村隼も実にいい仕事ぶりでした。炭鉱員たちとの間に溝が生じていた炭鉱長の辰雄(沢村一樹)の家を、一平は一升瓶を持って訪ねます。辰雄の妻は島を出ており、寂しい正月を迎えていることを知っての気遣いでした。
一平の優しさに触れた辰雄は心を開き、息子の賢将が一人前に成長できたのは、一平や島のおかげだと感謝の言葉を口にします。國村の出演シーンはあまり多くはありませんが、こんな場面をきっちり締めてくれることで、『海ダイヤ』は大人も楽しめるドラマになっているんだと思います。
炭鉱火災事故を描く第7話、炭鉱員としてのプライドが誰よりも高い一平の言動が注目されます。そして、第5話で殺人を犯した進平、炭鉱の閉山式の記念写真に写っていなかった鉄平の行方はどうなるのでしょうか。今夜放送の第7話、鉄平たち一家は風雲急を告げることになりそうです。と日刊サイゾーは報じた。
編集者:いまトピ編集部