『相模鉄道』残業100時間告発&「最悪の労働環境」か、悲痛な訴え
Amazon相模鉄道の乗務員が、尋常ではないほどの過剰な残業を強いられているとの情報がある。欠員は20人を超え、在勤の乗務員たちの時間外労働によって、なんとか運行しているのが現状。時間外労働が月に100時間を超える乗務員も多く、36協定に抵触するほど厳しい状況にある人も少なくないようだ。1カ月間まったく休みが取れないという人もおり、間もなく訪れる年末年始に関しても、実質的に休むことを禁じるような通達すら出ているという。事実であれば違法な労働環境にあるといえるが、相模鉄道に事実確認を行ったところ、現在までに回答はない。
YouTubeチャンネルの「しごとリーチ!」で11月13日に、相模鉄道(相鉄)の女性車掌の働く様子が紹介された。このチャンネルは、社会で働く人に1日密着し、多様な働き方やライフスタイルを映し出す、職業紹介をメインとした密着ドキュメンタリー番組。そのなかで相鉄の女性車掌が、子どもを保育園に届けてから出勤し、9時から乗務を開始、17時に乗務終了して帰宅する一日の流れとともに、「(時間的に)融通が利く」「子育てしやすい職場」との言葉が紹介された。
すると、こんな勤務が許されているのは特別な事情がある人だけで、実際は慢性的な欠員によって、「残業100時間、会社に3泊4日が当たり前の会社」であると告発する声が出てきた。そんな声を当サイト11月22日記事『相模鉄道、仕事紹介の動画が炎上「慢性的欠員、最悪の労働環境」との声も』において紹介すると、相鉄の乗務員から当サイトに、さらに詳しい労働実態の情報が寄せられた。
情報によると、時間外労働が100時間を超えている乗務員も15人ほど、150時間前後も複数人、もっともひどいケースだと200時間を超えるという。
鉄道乗務員の場合は「高度プロフェッショナル制度」が適用されて、労働基準法の労働時間に関する規定から外れることもあるが、その場合は「健康管理時間」(対象労働者が「事業場内にいた時間」と「事業場外において労働した時間」の合計時間)によって適正に労働時間を管理することが求められている。健康管理時間は時間外労働と考え方は似ているが、上限は1カ月100時間、3カ月では240時間までとされている。
相鉄社内で行われた「安全衛生会議」の議事録を過去数カ月分見てみると、健康管理時間が70時間を超えている乗務員について「電車区(運転士)54名、車掌区35名」「電車区64人、車掌区28人、そのうち時間外労働が100時間を超えた者は電車区が14人、車掌区が3人」「100時間を超えた区員15人」といった表記が見られる。あまりにも長時間の残業が常態化しているためか、「産業医から就労制限をかける」といった文言もある。
議事録を見ている限り、誰かが休むと代わりに本来休みだった人が勤務する状況が浮き彫りになってくる。なかには「本当に休めない」「週休を潰して29日連続勤務の途中だ」と悲痛な訴えをする乗務員の声もある。インフルエンザ感染症やコロナウイルス感染症などによって休暇を取得する人が出てくると、減便もあり得るとの見解も出ている。
情報提供してくれた乗務員は、「会社の業務用LINEにて『電車区20欠』と書かれていますが、実際はかしわ台乗務所予備勤務の出番者と非番者、星川分室予備勤務の出番者と非番者も休日出勤で回しているので、これでプラス4人欠員。さらに7時間労働で担当列車を振っていってはみ出した分の日勤3つも基本的に毎日休日出勤ですので、プラス3人欠員、合計27人欠員です」と語り、深刻な欠員が続いていると明かす。
これに加え、「12月24日から1月5日まで年次有給休暇取得希望者は自分で代務者を探すよう指示を出すなど、実質休むなと言われる事態が発生しています」と嘆く。確かに、初詣や初日の出を見るため多くの人が年末年始に電車を利用するが、その裏で相鉄では乗務員が過酷な勤務を強いられている実態があるのだ、とビジネスジャーナルが報じた。
編集者:いまトピ編集部