『居酒屋業界』倒産・過去最多「2年連続で...」倒産相次ぐ
忘年会シーズン真っ只中だが、居酒屋業界は最大のピンチを迎えている。
なんと、倒産件数が2年連続で過去最多を更新し、営業停止すらしていたあのコロナ禍をも上回っているのだ。
さる12月3日、帝国データバンクは今年1月から11月までの居酒屋倒産動向の調査データを公表。これによると、今年の倒産件数は203件で、昨年1年間で記録した204件を確実に上回る見通しだ。
データによると、コロナ禍で営業停止や時短営業などの打撃を受けた2020年の189件がそれまでの居酒屋倒産件数最多だった。
昨年の204件はこれを大幅に上回る過去最多の数字で、今年はさらに更新するというのだ。
居酒屋業界は、2年連続で年間最多を更新するほど倒産が相次ぐ、まさに大粛清の嵐が吹き荒れているといってもいい。
「調査データではこの要因について、酒類・食材など原材料の仕入れ価格高騰、人件費の上昇といったコストアップを主なものだとしています。アベノミクスの金融緩和で異次元の円安を招いた結果、燃料費から食費まであらゆるモノの値段が上がり、景気回復どころか経営を圧迫する事態を招いてしまいました」(エコノミスト)
「10月の決算データを見ると、大手は苦境どころか絶好調なんです。店名を騙った客引き詐欺まで現れるほどの大人気チェーン『鳥貴族』などの運営会社・エターナルホスピタリティーグループは、前期比売上高+25.3%、営業利益も+129.2%を記録。串カツ田中ホールディングスは前期比売上高+19.4%、営業利益+23.8%、庄屋などを運営する大庄は前期比売上高+11.2%で、営業利益は4.6億円の赤字から10億円の黒字にまで増やしています」(飲食業界を研究するシンクタンク関係者)
外食業界全体で見ても、その数字は右肩上がりだ。
「日本フードサービス協会、外食産業総合調査研究センターらが行った調査によると、2022年の外食産業の市場規模は、コロナ禍で営業に制限のあった前年より18.0%増加し、20兆970億円と回復している。翌23年も前年より20.2%増加の24兆1512億円と推計されており、インバウンド等が下支えとなって、業界全体ではコロナショックから脱しつつあるのです」(同)
最近、忘年会で居酒屋を利用したという人は、多いだろう。
だが、次にその店を訪れた時には、閉店しているかもしれない。
「この現象ですが、チェーン店はその資本力により、さまざまな機械化やインバウンド対応を施せるほか、年間契約や大量仕入れで原材料費を削減、社員を派遣して人手不足の解消に努めることもできる。一方、家族で営んでいるような店は、常連だけで回すにも限界があり、バタバタと倒れるという、まさに『富めるものがより富んでいく』資本主義の原理が体現されているといえます」(同)と、週刊実話WEBが報じた。
編集者:いまトピ編集部