『名探偵コナン』『あの傑作アニメ』差はなぜ「爆発的な数字」「低迷している」
Amazon2025年4月18日に劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』が公開されることが決定。今作は長野県警を中心に物語が展開されるという。
『名探偵コナン』(小学館)の劇場版シリーズは驚異的な人気を誇り、2023年公開の『黒鉄の魚影』は興行収入140億円を突破、2024年公開の『100万ドルの五稜星』ではさらに記録を更新して157億円に達している。シリーズ全体では累計観客動員数1億人を超え、映画業界でも屈指の成功例と言えるだろう。
そんな『名探偵コナン』の作者・青山剛昌氏は1月に鳥取で行われたイベントにて、「なんで名探偵コナンを書こうと思ったのか?」という質問に、「その頃『金田一少年の事件簿』(講談社)が流行っていて、(週刊少年サンデー)編集部からミステリーをやらないかと言われ、じゃあ俺が書くならこんな感じかな、っていう」と答えている。
1992年に「週刊少年マガジン」(講談社)で連載が始まった『金田一少年の事件簿』は、1995年にKinKi Kids・堂本剛主演でドラマ化。平均世帯視聴率23.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という高視聴率をマーク。作中の「じっちゃんの名にかけて!」は漫画史屈指の名ゼリフにも数えられている。
そんな『金田一』は現在「コミックDAYS」にて『金田一37歳の事件簿』が連載中。その最新話にて、金田一とヒロインの美雪が結婚していて、美雪が妊娠していることが判明した。
「2025年1月に新シリーズ『金田一パパの事件簿』がスタートすることが発表されました。とはいえ、金田一が“事件を解きたくない中年オヤジ”になっていた『37歳』はかなりの不評で、そこから『パパ』でさらに引き延ばすのは、かつての名作とはいえ、さすがに“擦りすぎ”。2022年になにわ男子・道枝駿佑が五代目金田一を務めた連ドラは世帯平均視聴率が6.2%と低迷していますし、さすがに“賞味期限切れ”という感じもします」(サブカルライター)
いったい『コナン』と『金田一』はなぜこれほど差がついてしまったのだろうか。漫画誌編集者が言う。
「『金田一』は長編メインで犯人の悲しい動機や凄惨な描写が多く、読後感が重い。主人公はIQこそ高いもののスーパーマンではないですし、本格的ミステリー好きに特化しており、対象層が限定的となってしまった。一方、『コナン』はユーモアや爽快感を重視し、後味の良いエンタメ性が支持を得ています。主人公の万能設定、少年探偵団の活躍や恋愛要素、大胆なアクションシーンなど、多様な要素で多層的に楽しめます。『悪の秘密組織を倒して元の体に戻る』という目的もあり、強敵と対決するのも少年漫画らしい。先に連載開始して売れた『金田一』のような本格ミステリー路線ではなく、対象年齢を広げた、言わばバラエティ的な作品にしたことで、広範囲の年齢層に対応できているのが、劇場版の爆発的な数字に繋がっています」
漫画史に残る傑作とも言える両作。『コナン』の新作映画によって『金田一』との人気格差はさらに広がることになるのだろうか、と日刊サイゾーが報じている。
編集者:いまトピ編集部