楽天、ヤクルトの『温情』に泥「7月末に巨人移籍」説浮上
「自由契約を申し出た狙いが巨人入りにあったとは…。容認した三木谷浩史オーナー(59)の温情に泥を塗る行為」
そう憤るのは、田中将大(36)の移籍先に、ヤクルトを斡旋しようと動いていた楽天球団フロントの面々だ。
水面下で行われた11月の契約更改で、楽天は田中に対し、今季の2億6000万円から野球協約で定める減額制限(1億円以上は40%)を超える約80%減の5000万円を提示。交渉決裂で本人から「自由契約にしてほしい」と申し出があり、球団が承認した一件だ。
「田中案件は三木谷オーナーがすべて決めるが、2013年にシーズン24勝0敗で楽天を日本一に導いた大功労者だけに快く容認した。その意を受け、石井一久シニアディレクター(51)は、契約更改で田中が絶対に応じない条件を突き付け、自由契約を申し出やすいように助け船を出した。ファン対策です。一方で、球団は着地点にヤクルトを用意していた。それなのに、とんだ意趣返し。最悪の展開…」
楽天球団OBの解説者がこう話すように、来季からGMに復帰する石井氏は、田中の移籍について古巣のヤクルトと秘密裏に交渉していた。
スワローズには、楽天が優勝した際に田中とバッテリーを組んだ嶋基宏がおり、現在はヘッド兼バッテリーコーチ。投手防御率がセ・リーグ最下位のヤクルトなら1億円以上の契約が予想され、ハッピーエンドになるはずだった。
この「はずだった」というのは、年の瀬が迫る中、田中の転身先が想定外の方向に向かっているからだ。
12月初旬まではヤクルトを主軸に日本ハム、中日が田中獲得にチキンレースを展開。しかし、ヤクルトがいち早くFA権を行使したソフトバンクの石川柊太獲得にスイッチし、日本ハム・新庄剛志監督、中日・井上一樹監督も獲得は困難と判断。なぜかそろって撤退の方針を打ち出した。
セ・リーグ球団のスタッフが舞台裏をこう明かす。
「イースタン・リーグのオイシックス新潟(以下、新潟)と話がついているようです。しかも、月給50万円の破格契約。漏れ伝わる情報によれば、中日が10倍出す用意があると伝えても、“自分の居場所を取り戻すのが目的で、お金の問題じゃない”と、取り付く島もない状況だとか。恐らく背後に巨人がついているのでしょう」
ざっくり言うと、田中は二軍限定の新潟に入団し、NPBの支配下選手登録の締切日(7月31日)までに巨人に移籍。メジャーに転身する菅野智之の背番号18を引き継ぎ、あと「3」に迫った日米通算200勝達成を目指す。
巨人はマー君フィーバーをバネにリーグ連覇に弾みをつけ、’12年以来の日本一というシナリオだ。
この計画を裏付けるように、新潟はこのオフ、橋上秀樹監督(59)が今季限りで退団。野間口貴彦ヘッドコーチが新設するチームディレクターとなり、来季はヘッドを兼任する。
「見逃せないのは、新潟を退任した橋上氏が来季から巨人の一軍作戦コーチに就くこと。そして巨人OBの野間口氏が新潟の編成トップに。どう見てもマー君の受け入れシフトでしょう」(スポーツ紙記者)
ファーム専門球団の場合、プロ経験者は7月末までならいつでもNPB球団に復帰できる。巨人はそこに目をつけたのだ。問題は低い給料だが、巨人入りが約束されていれば話は別。そこで大型契約を結べば、帳尻は合うからだ。
一方で、送り出す新潟には「契約金プラス1年目年俸の20%」の譲渡金が入り、損はない。
今回の「ワンクッション移籍」のモデルとなるのが、阪神の藤川球児新監督のケースだ。34歳だった’15年5月、右足付け根の故障などから所属するMLBのレンジャーズの40人枠から外れ、自由契約となり途中退団した。
「すぐさま阪神を含む日米の複数球団が獲得に乗り出しましたが、選択したのは独立リーグ・高知ファイティングドッグス。『生まれ故郷のチーム』(高知商出身)だったのが、その理由です」(同)
しかも、待遇は月給十数万円。年俸100万ドルプラス出来高を蹴って、ふるさとの野球振興に尽力した男気に全国のプロ野球ファンが感動し、人気は爆上がり。翌年には阪神と契約し、その後の5シーズンを阪神のリリーフエースとして活躍。“災い”を転じて福となした。
この成功例を手本に進行しているのが、ファーム球団・新潟を挟んだ巨人移籍計画なのだ。
田中はMLBのヤンキースで7シーズン活躍し、’21年に古巣・楽天に復帰したが、以前と違ったのが仙台への単身赴任。夫人でタレントの里田まいは、子供の教育環境と自身が手掛けるオリジナルブランド会社の経営で東京を離れられず、家族は2拠点生活に。
「田中が今季1試合に登板しただけで未勝利に終わったのは、昨年受けた右肘手術の影響もあるでしょうが、家族と別居生活であることも大きい」(同)
実は、田中は昨年から在京球団への移籍を申し出ていた。その延長線上に起こったのが、今回の自由契約。「ヤクルト移籍」の情報をキャッチした巨人が横やりを入れたという。
しかし、強引な横恋慕はファンの反発を買う。田中ばかりか、まい夫人のタレント業にも影響しかねない。そこで身を捨てる覚悟でウマミのない条件で新潟に移籍し、藤川フィーバーの再来を狙ったわけだ。
確かに、これならマー君人気は担保され、日米通算200勝が来季最大級の話題になる、と週刊実話WEBが報じている。
編集者:いまトピ編集部