24年に2店舗閉店『高級スーパー』現在19店「大根1本80円」の庶民価格、お手頃価格も豊富
2017年3月期には5年連続で赤字となっていた高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」。24年に2店舗が閉店になり、現在19店を展開しています。昨今、高級スーパーの苦戦が窺われるだけに、現在の様子をみてきました。
三越伊勢丹ホールディングス傘下の株式会社エムアイフードスタイルが運営する高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」。公式サイトによると、「高品質なプライベートブランドを持つ食品専門のスーパーマーケット」とのことです。
24年は杉並桃井店、港南台バーズ店が閉店する一方、十条店が新規オープンとなり、現在は首都圏に19店舗を展開しています。
先ごろ発表された三越伊勢丹ホールディングスの25年3月期第2四半期の決算では、牧野欣功(よしのり)常務が「SM(スーパーマーケット)の伸びが若干低下しているが、消費の二極化の中で高感度上質ニーズをしっかり獲得すれば十分に計画を達成できる」とコメント。
実際、クイーンズ伊勢丹は苦戦が続いており、17年3月期は売上高497億円、営業損益が11億円で、5年連続の赤字となっています。これを受けて、18年4月、高級スーパー「成城石井」の再建で実績のある投資ファンド、丸の内キャピタルに売却。22年4月からは、再建の目途が立ったとして、三越伊勢丹ホールディングスのもとに戻っています。
土曜日の昼12時過ぎ、クイーンズ伊勢丹の笹塚店を訪れました。同店はクイーンズ伊勢丹の中で店舗面積が最大だそう。
やっぱり高級スーパーは品質も価格も全然違うわ……と衝撃を受けますが、続く野菜売り場は案外お求めやすいお値段です。クイーンズ伊勢丹は地元の農家さんと契約を結んで野菜を並べているそうで、農家直送コーナーがコンパクトではあるものの、ちゃんと設置されています。
並んでいる野菜は大根が1本80円。葉付きの大根は80〜100円。トマト460円、ミニトマト200〜300円など。大根のサイズは通常の8割くらいの大きさですが、それでも立派なもの。これが80円で買えるなんてビックリです! ちなみに、契約農家コーナーとは別に売られている大根は1本322円でした。
また、おつとめ品の白菜は半分サイズで70〜90円前後とこれまたお手頃。傷みもなくきれいな状態です。
今回、クイーンズ伊勢丹で驚いたのは、高い商品だけでなく、お手頃価格も豊富だったこと。特に野菜に関しては、契約農家コーナーを上手に使うことでオトクに買い物ができそうです。
この日は手羽元が一般のスーパー価格でしたし、加工肉のコーナーでは、よりどり2つで2,200円や、3つで1,080円などお値打ち感をアピールしていることもあり、手に取りやすそうでした。。
PB「ISETAN MITSUKOSHI THE FOOD」についても、商品展開が魅力的。冷凍コーナーにはスープストックトーキョーのようなスープがずらりと並んでいて、かなりそそられます。
一方で、味の素の冷凍餃子「ギョーザ」が409円だったり、卵10個入りパックが最安351円、牛乳がセール価格で279円だったりと、庶民価格とかけ離れていて仰天しました。
近年、高級スーパーは苦境にあり、大丸百貨店のスーパーだった「ピーコック」はイオンの傘下に。西武百貨店池袋本店の地下などに入っていた「ザ・ガーデン自由が丘」は閉店が相次ぎ、今年、自由が丘本店も閉業しています。
そんな中でも、クイーンズ伊勢丹は確固としたブランド観とお手頃商品の展開がうまいバランスを取れていると感じた今回。今後の展開も楽しみです
編集者:いまトピ編集部