『ドラマ』脚本の出来が悪すぎ、「プロが書くセリフじゃない」「何らかの作用か」
どうあれ金曜日にはいろんな片が付くNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』第11週の「就職って何なん?」が終わりました。昨日の放送で不倫疑惑が発覚したモリモリ(小手伸也)でしたが、案の定たった1日で疑惑は払拭されました。なんだか無駄に小手伸也自身の過去の不倫報道が掘り返されただけで、ちょっと不憫でしたね。
第55回は米田結(橋本環奈)が専門学校を卒業し、彼ぴっぴのいる星河電器に就職するまでが大雑把に描かれました。
普通に暮らす人間としての自然な態度や言動よりも、これを「不倫である」とミスリードすることが優先されているということです。いちいち、場当たり的に、こういうミスリードが挟まることもまた『おむすび』では頻発しています。
すごく、脚本について毎回ちゃんと会議しているんだろうなと思うわけです。そこで誰かが「サッチンは若い男苦手だったらおもしろいだろ」「モリモリが不倫してたらドキドキするだろ」という意見が出され、物語の整合を取るプロである脚本家の意向よりも優先されている。
このレビューでは「脚本が悪い」とは言っていますが「脚本家が悪い」とは一度も言っていないはずです。なぜなら、脚本の出来が悪すぎるからです。テレビの全国放送で、ここまでひどい脚本にはなかなかお目にかかれません。何らかの力が作用しているとしか思えない。
今日だって、モリモリは「就職が決まりました」と言った直後に「お弁当屋さんを開く」と言っています。お弁当屋さんを開業する人は普通「就職が決まりました」とは言いません。こんなの、プロが書くセリフじゃないのよ。金が取れる仕事じゃないの。何が起こってるんだ『おむすび』の現場では。
今や大御所となった三谷幸喜が自らの劇団・東京サンシャインボーイズに書き下ろし、後に映画化もされた『ラヂオの時間』という作品があります。
新人脚本家のシナリオがラジオドラマに採用されたものの、現場ではプロデューサーの都合や出演者のワガママによって脚本が捻じ曲げられ、物語があらぬ方向に進んでしまうというものです。映画で脚本家を演じた鈴木京香の「ホンの通りにやってください!」という叫びを覚えている方も少なくないと思います。
この戯曲は、三谷自身がフジテレビの『振り返れば奴がいる』に参加した際、自分の脚本がどんどん勝手に変更されていくことにショックを受け、その体験をもとに書いたとされています。往々にして、ドラマの世界ではそういうことがあるようです。
しかし、『振り返れば』の三谷はコメディしか書いたことのない新人だったし、『ラヂオの時間』のみやこさんも新人でした。『おむすび』の根本ノンジさんは55歳、キャリア十分の大ベテラン、しかも調理師免許を持ってて、特に食事シーンにこだわりがあるんだそうです。そんな方が、どんな扱いを受けているのかと想像すると本物の闇を見る思いです。逆に、根本さんが自由に健筆を奮っていてこれだというなら、それはいろいろごめん、と日刊サイゾー が報じた。
編集者:いまトピ編集部