Netflix『ドラマ』最高傑作リメイク「全員が主演クラス」高評価
1月9日からNetflixで配信されている「阿修羅のごとく」が話題を集めている。同作は、向田邦子作品の最高傑作と呼ばれるドラマシリーズを、是枝裕和監督・脚色でリメイク。メインキャストとなる四姉妹は、宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すずと、全員が主演クラスの女優が演じ、さらに本木雅弘、松田龍平、内野聖陽も登場するなど、テレビドラマではなかなか実現できないような豪華キャストとなっている。民放のテレビ局関係者からは、こんなあきらめにも似た声が噴出している。
「現在、NHKも含めテレビドラマは、とにかく予算を削ることがプロデューサーの仕事です。一方で、深夜ドラマなども含め、各局で毎シーズン放送する作品数が増える傾向にあり、出演者の取り合いになり豪華な作品が少なくなっているんです。今シーズンの冬ドラマも、日曜劇場や大河ドラマですら出演者の豪華さという意味では、あまり評判になっていません。昨年配信した『地面師たち』、『極悪女王』に続き、今年もNetflixのドラマが話題を独占しています」
さて、「阿修羅のごとく」に話を戻せば、物語は、父の愛人問題を人生観の違う4姉妹が、対立しながらも解決しようとする展開。さらに4姉妹の1人1人にも様々な問題があり、父の生き方を通して自分たちをも見つめ直すことになる、最上級の人間ドラマとなっている。しかも、これまで数多くの名作映画を撮ってきた是枝監督が、NHKで放送されたオリジナル作品を忠実に再現しながらアップデートさせ、原作ファンからも高い評価を得ているという。スポーツ紙記者が語る。
「ここ最近では、漫画や小説を改変し、ファンからバッシングを受けるドラマばかりが目立ちます。それだけに、さすが是枝監督といったところ。原作と同じ1979年が舞台ですが、次女・巻子を演じる尾野は、昭和の専業主婦をうまく表現している。自由奔放な四女・咲子を演じる広瀬もいい味を出していて、三女・滝子を担当する蒼井とのバチバチのやり取りが見ていて爽快感があります」
年明け早々から、今年も話題作はNetflixばかりになりそうとの観測が相次ぐ中、民放のドラマスタッフの中には、転職を考え始めている人も少なくないとか。
「現在、民放ドラマは“とにかく漫画原作で手軽に作れ”というのが各局の大きな指標の一つ。オリジナル脚本にする際は、CMスポンサーの意向を最大限反映させることが求められ、かつてのように各局が好きにドラマを作れなくなっています。昨年こそ『不適切にもほどがある!』(TBS系)がヒットしましたが、今年の冬ドラマを見る限りでは、そうした挑戦的なものは見当たりません。徐々に情報解禁されている春ドラマについても同様で、テレビ局にいてもおもしろいドラマは作れないと、各局で若手を中心にNetflixや制作会社に転職するケースは後を絶たないそうです。このままだと、テレビドラマがどんどんつまらなくなっていきそうですよ」(前出・民放テレビ局関係者)
配信サービスの台頭で、テレビのオワコン化は2025年も深刻化するのかとアサジョは報じている。
編集者:いまトピ編集部