フジ、芸能人を大量リストラ「2次元化」「アニメの鬼」
不祥事にまみれるフジテレビの社長交代で、番組編成がガラリと変わるかもしれない。フジテレビは1月27日、元タレント・中居正広と元女性社員とのトラブルをめぐり、一連の対応が混乱を招いたとして、港浩一社長と嘉納修治会長が同日付で引責辞任すると発表した。後任の新社長にはフジ・メディア・ホールディングスの清水賢治専務が昇格した。
清水新社長は「世にも奇妙な物語」や「ショムニ」「容疑者Xの献身」のほか、1990年代には「もう誰も愛さない」などサスペンス要素を取り入れた「ジェットコースタードラマ」路線を開拓。さらに「Dr.スランプ アラレちゃん」「ドラゴンボール」「ゲゲゲの鬼太郎」「ちびまる子ちゃん」などフジテレビのアニメ枠を充実させた功労者だ。その「ちびまる子ちゃん」も1月26日の放送ではスポンサーが1社もなくなる窮地に追い込まれている。
「今回の社長交代はドタバタ人事の割には熟慮されていて、新年度の番組編成、今後の経営方針に大きく影響を与えることになりそうです」
そう話すのは、フジテレビ関係者だ。
「女性社員とのトラブル把握後も、役員が中居を降板させなかったことについて、会見ではハッキリ言及しませんでしたが、テレビ局とプロダクションの権力が逆転しているんです。視聴率を取れるタレントを確保するため、テレビ局はプロダクションやタレントに忖度せざるをえない。ところが鳴り物入りで始まった『まつもtoなかい』は松本人志も中居正広も女性トラブルを起こし、制作担当者までが関わったと報じられた。一般常識とかけ離れた芸能人、タレントに依存する番組作りはリスクがありすぎる…というのが局の本音であり、CMを差し替えた大手スポンサーからも、同じような意見が出されたそうです」
そこで芸能人を「大量リストラ」し、スキャンダルの心配がない2次元コンテンツの充実を図るべく、方向転換するのではないかとみられているのだ。フジテレビ関係者が続けて、切実な見解を語る。
「清水新社長はアニメ制作のほか、東野圭吾や鈴木光司の小説実写化を手がけた実績があり、制作現場を退いた後も、後進の指導には定評があります。人望が厚く、フジテレビ再生のためにはキャスティング重視の方針からコンテンツの充実に方向転換するしかない」
「ちびまる子ちゃん」のスポンサーがゼロになったとしても、案じることはない。「少年ジャンプ」の連載、澤井啓夫作「ボボボーボ・ボーボボ」は、鼻毛真拳の使い手が主役というあまりに下品な不条理ギャグ漫画であるため、テレビ朝日系でアニメ化された際には、スポンサーが1社もつかなかった。それでもファンの記憶に残る「名作」として語り継がれている、とアサ芸プラスが報じている。
編集者:いまトピ編集部