『イオン』一部店舗から、すべて撤退「ついに残っていた最後のお店が閉店してしまった」
GMS(総合スーパー)国内最大手で全国展開する「イオン」の一部店舗で、フードコートに出店するテナントがすべて撤退してゼロとなる現象が出現しているとSNS上で話題となっている。フードコートがガラガラになっているとして店名があげられているある店舗に取材したところ、「現在はフードコートで営業している店舗はありません」とのことであった。なぜこのような現象が生じるのか。専門家は「それなりに賃料は高いので、来店客数が少なくて採算が取れないため撤退したのではないか」と指摘する。
全国に「イオン」をはじめとするGMS(総合スーパー)を約500店舗、「マックスバリュ」「マルエツ」などの食品スーパーを約2200店舗、「イオンモール」を164店舗(24年9月現在)、「まいばすけっと」などの小型店を約1100店舗、その他にもさまざまなブランドの店舗を展開するイオングループ。年間売上高は9兆5535億円(2024年2月期)に上り、グループ全体の従業員数は約57万人、「イオン」「イオンスタイル」などを運営するイオンリテールだけで正社員数は約2万人、時間給社員は約9万人に上る巨大企業だ。
そんなイオングループの中核ブランドである「イオン」のフードコートをめぐり前述のような現象が起きているとして、SNS上では以下のとおり話題となっている。
<フードコートの店がだんだん閉店していって、ついに残っていた最後のお店が閉店してしまった>
<フードコートだけども食べ物が売ってない>
<イオン自身のショッピングセンターでもフードコート壊滅はありがち>
フードコートとは、スーパーやモール、ショッピングセンターにとって、どのような存在なのか。流通ジャーナリストの西川立一氏はいう。
「来店客が飲食できるスペースを設けることによって、お客が目的の買い物を済ませてすぐ帰ってしまうという行動を抑制して、店舗内における滞留時間を延ばすという効果が期待できます。以前はレストラン街がお馴染みの光景でしたが、ファストフードチェーンが増えてきたり、レストラン街よりも小さな面積でも設置しやすいといった理由もあり、レストラン街に代わってフードコートが増えてきたという経緯があります。例えば家族4人連れ客の場合、レストラン街だと家族のなかで食べたいジャンルが違うと誰かが我慢をしなければなりませんが、フードコートだと各々が食べたいジャンルの料理を購入して、それを持ち寄って一緒に食べられるというメリットもあります。子どもの遊び場を作ったりという取り組みも、やりやすくなります」
では、なぜフードコートのテナントがすべて撤退してゼロになるという事態が生じるのだろうか。
「要は、商業施設の集客力がやや弱くなり、来店客が減って採算が取れなくなりテナントの経営が成り立たないということで、契約更新のタイミングで更新せずに退店していったということではないでしょうか。テナントが商業施設側に支払う賃料もそれなりの金額ですが、施設側が地元のお店を入れたいという理由からテナント料を優遇するというケースはあります。契約期間は1~5年とさまざまですが、更新のタイミングでテナント側が退店すると申し入れすれば、施設側は受け入れざるを得ません」
とのことだとBusiness Journalは報じている。
編集者:いまトピ編集部