『原作マンガ』主人公と似てる「こんなに合うと思わなかった」唯一無二の個性

火曜深夜に放送中の佐藤勝利と髙石あかりW主演のドラマ「アポロの歌」(TBS系)をご存じだろうか。手塚治虫が1970年に「少年キング」で連載していた同名マンガが原作のため、実写化されると知ってから1カ月強、本棚の最奥から単行本を捜し出した。なぜなら、記憶の中の「アポロの歌」は実写化することが困難な記憶があったからだ。
2月25日放送の第2話が放送される前に何とか原作マンガを完読。確かに手塚さんのマンガを「原作」にはしているが、大胆なアレンジをしたオリジナルに近いストーリーのように思う。手塚さんの作品オフィシャルサイト内「虫ん坊」でも、このドラマを「ストーリーの骨子は保ちながら、新解釈版となる本作。ぜひご期待ください!」と応援しているから、私の解釈も当たらずとも遠からずといったところだろう。
原作マンガを読んでから第2話を視聴して最も驚いたのは、手塚さんが描いている主人公の近石昭吾と演じている佐藤の顔が何とも似ていることだ。佐藤は故・ジャニー喜多川氏から「永遠のセンター」と呼ばれるほどの圧倒的なビジュアルと人の視線を集めてしまう吸引力という、「天性の宝物」を持っていることは知っていたのだが、こんなに「昭和の少年マンガの主人公」に似ているとは思っていなかった。
上向きの太い眉、スッと伸びた高い鼻、パッチリと大きな瞳の佐藤は、手塚さんの原作マンガから抜け出てきたようなのだ。しかも実年齢は28歳だというのに、大学生役を演じても違和感がなく、喫煙シーンや女性から金を渡されて上半身マッパでベッドから起き上がっても、清潔感というか少年っぽさが消えないところは、佐藤の唯一無二の個性だろう。
佐藤は豊かな演技力があるタイプの役者ではない。しかし多くの監督や演出家が佐藤を主演させたがるのは、真ん中にいる覚悟と葛藤、暗さのある昭和の香りを感じるからなのかもしれないと思った。とアサジョは報じた。
編集者:いまトピ編集部