『朝ドラ』視聴率12%台が続く「厳しい状況が続く」

3月28日に最終回を迎えるNHK連続テレビ小説『おむすび』。平均世帯視聴率の週間平均で長らく12%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)が続いており、期間平均で“朝ドラ史上最低”となるのは確定的ともいえそうだ。
朝ドラ111作目となる『おむすび』は、“平成ギャル”であるヒロイン・米田結が栄養士となり、人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。
脚本を23年4月期の天海祐希主演『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』(フジテレビ系)などを手掛けた根本ノンジ氏が担当し、ヒロインを橋本環奈、その家族役を仲里依紗、北村有起哉、麻生久美子、宮崎美子、松平健が演じる。
ネット上では「コロナ禍を思い出して胸がギュッとなった」「おむすびを素手で握れないのは切ない」などと反響を呼ぶ一方、「上っ面な描写が気になって、物語に入り込めない」「テーマはいいのに感動がない」などと厳しい意見も散見される。
開始当初から賛否が飛び交っている『おむすび』だが、放送前の期待値は高く、初回は平均世帯視聴率16.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と前朝ドラ『虎に翼』の初回を上回る健闘を見せた。しかし、週平均は第1週16.1%、第2週14.7%、第3週13.5%、第4週12.9%と右肩下がりとなり、第13週以降は12%台が続いている。
もちろんNHK公式動画配信サービス「NHKプラス」で毎回見ている視聴者も一定数いるだろう。しかし、平均世帯視聴率の期間平均で16.8%を記録した『虎に翼』をはじめ、近年の作品と比較してもとりわけ厳しい状況に思える。
この推移について、当サイトで『おむすび』全話レビューを連載中のライター・ドラマっ子AKIちゃんは次のように述べる。
「NHKの朝ドラは『時計代わり』といわれるほど、視聴者の毎日の生活に密着した存在です。週1で1クール3カ月放送される連ドラより、好みに左右されにくいという特徴がある。そうした恵まれた環境にあるドラマが、初回から現在に至る間で4分の1の視聴者が離脱しているというのは、やはり異常事態と言わざるを得ません。いろいろ原因は取り沙汰されていますが、『ギャル』や『震災』といったテーマ、あるいは主演の橋本環奈が好きじゃないという理由であれば最初から見ないか、初期で離脱しているはずです。
また、放送中の年末に橋本にスキャンダルがあったことを低迷の理由とする報道もありましたが、それが原因なら年明けには下げ止まっているはずです。現実には『おむすび』は最終回に向けて視聴率を下げ続けている状況ですので、そうした外的要因はあまり関係ないと見るのが正しいと思いますよ。シンプルに、多くの視聴者に共感を呼ぶ物語ではなかった。シナリオがおもしろくないということでしょう」
最終回へ向けてラストスパートをかける『おむすび』だが、盛り上がりは期待できるだろうか? 前出のドラマっ子AKIちゃんが語る。
「10日から14日にかけて放送された第23週では、終盤における山場といえるコロナ禍が描かれました。コロナ禍が過ぎた後の残り2週で何が描かれるのかまったく想像できないこともあって、今後の盛り上がりにもあまり期待できない、というのが正直なところですね」
なお、1961年にスタートした「朝ドラ」は、期間平均視聴率で30%を上回る時代が30年ほど続いた。しかし、94年前期の純名里沙主演『ぴあの』以降、30%を切るようになり、2003年後期の石原さとみ主演『てるてる家族』以降は20%を下回る作品が目立つようになる。
以下、歴代の全話平均視聴率ワースト10ランキングを紹介する。『おむすび』がワースト記録を更新する可能性もあるため、今後の推移が注目される。とサイゾーウーマンは報じた。
編集者:いまトピ編集部