12年間も出演の『番組』降板へ

「かつての芸能界では、子供の学校行事で仕事を休むことなど、考えられなかった。『代役がいくらでもいる』という厳しい世界で、たとえ高熱でも点滴を打ちながら撮影に臨むのが当たり前でした」
ベテラン芸能ジャーナリストがこう話すのは、若槻千夏が3月25日の「ラヴィット!」(TBS系)を欠席したことを受けてのものだ。理由は「子供の卒業式のため」だった。
こうした風潮は芸能界に広がりつつある。アルコ&ピース・平子祐希は苦渋の決断を下した。2013年から12年間も出演してきた金曜夜の生放送ラジオ番組「沈黙の金曜日」(FM FUJI)を「幼い子供たちの成長を見守りたい」という理由で降板を決めたのだ。トークの怪物であるアシスタント、乃木坂46・弓木奈於と即興で異次元コントを繰り広げるなど、リスナーにはおなじみの展開がなくなるのは寂しいが、金曜夜が「最も家族と触れ合える時間」なのだという。そんな家族思いの姿勢に、支持が集まっている。
体調不良による休養も急増している。ダウンタウン・浜田雅功は昨年末から体調不良に陥り、医師による「当面の静養が望ましい」との助言を受けて、3月10日から複数の番組を休養している。
メンタルヘルスを理由にした「活動セーブ」も新たな流れだ。2024年の「はいよろこんで」がヒットしたアーティスト・こっちのけんとは年明けに、完全な休養ではなく「活動セーブ」を宣言したが、3月9日に活動再開を表明している。
「2023年9月に公表した、双極性障害への対応でした。気分の波に対処するための休止ですね。コロナ禍以降、休むことに対する抵抗感が薄れ、急な出演者変更に対応できる制作体制も整いつつあるのだと思います」(芸能記者)
若槻の「卒業式休暇」、平子の「家族優先」、浜田の「体調不良休養」、こっちのけんとの「メンタルヘルスのためのセーブ」。芸能界の働き方改革は進んでいき、家族や健康を優先する姿勢が徐々に業界の常識を変えつつあるとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部