4日間の累計興収は3億2600万円『映画』酷評が続出「違和感がある」「やりすぎ」

最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、3月21~23日)で、アニメーション作品『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(3月7日公開)がV3を獲得した。
3月24日発表の全国週末興行成績ランキングで首位をキープした『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』は、「映画ドラえもん」シリーズ最新作。ドラえもん(声優・水田わさび)やのび太(声優・大原めぐみ)たちが絵の中の世界で冒険する姿を描いており、上映開始から3週目の週末3日間も観客動員28万2000人、興行収入3億4700万円を記録。累計興収21億円を突破した。
3週連続1位の『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』と同様に、米のミュージカル・ファンタジー映画『ウィキッド ふたりの魔女』(3月7日公開)も3週連続で2位をマーク。シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデのダブル主演でも話題の同作は週末3日間で動員16万3000人、興収2億7100万円をあげ、累計興収は18億円を超えた。
そして今回3位に初登場したのは、レイチェル・ゼグラー(日本語吹き替え:吉柳咲良)が主演を務めるミュージカル・ファンタジー映画『白雪姫』(3月20日公開)。ディズニー初の長編アニメ映画『白雪姫』(1937年)をもとにした実写化作品で、女王(魔女)役はガル・ガドット(月城かなと)、本作における白雪姫の運命の人・ジョナサン役はアンドリュー・バーナップ(河野純喜/JO1)が演じている。
実写版『白雪姫』も、名作と呼ばれたアニメ版と同じくディズニーによって製作されたものだが、ネット上では実際に映画を鑑賞した客から、「白雪姫がたくましすぎる」「強いプリンセスもいいけど、わざわざ『白雪姫』でやる必要あった?」「アニメ版の穏やかな白雪姫が好きだから、実写版のキャラクターには違和感がある」などと酷評が続出。
アニメ版は、美しい白雪姫が女王に嫉妬されて命を狙われるも、最終的には王子様に助けられる……というストーリー。一方、実写版では、白雪姫の美しさは内面を重視した設定で、「ルッキズムに囚われないという視点は悪くない」と好意的な意見もあるが、「王子も出さないのはやりすぎ」といった指摘も寄せられている。
加えて、実写版で王子様の代わりに登場するのがジョナサンだが、“王子不在”設定のためにアニメ版で人気の挿入歌「いつか王子様が」も使われておらず、「『白雪姫』の代表曲までカットされるなんて!」「あの名曲がない『白雪姫』は『白雪姫』と言えるのか?」などと嘆くアニメ版『白雪姫』ファンも多い。
また、主演のレイチェルが「(アニメ版の王子は)ストーカー」と発言したことをはじめ、公開前から“炎上”騒動も続いていた。その影響もあってか、全国382スクリーンと大規模で封切られるも週末3日間の動員は13万1000人、興収は1億9700万円で3位と、ディズニー最新作にしては物足りない順位でスタート。なお、公開初日の祝日を含めた4日間の累計興収は3億2600万円と伝えられている。
この結果について、映画ライターのヒナタカ氏は以下のように語る。
「北米で公開された週末3日間の興収は約4,300万ドル(約64億円)で、ディズニーの実写映画の中では興行的にも批評的にも伸び悩んだとされる19年公開の『ダンボ』(週末3日間の興収は北米が約4,600万ドル、日本は4日間換算で3億3500万円)と同等の低調スタートです。“歴史的な大コケ”というほどでもないものの、やはり作品の外にある炎上とプロモーションの制限、厳しい評価も、このいまひとつの成績に影響しているのでしょう。日本では同じくミュージカルかつ有名作品の実写映画化作品で、かつ絶賛の口コミが広がっている2位の『ウィキッド ふたりの魔女』が強力なライバルとなったことも大きいと思われます」
なお、ディズニープリンセスの実写化映画について、日本での初動の興収を振り返ると、『シンデレラ』(15年)は土日2日間で5億5600万、『美女と野獣』(17年)は3日間で興行収入13億7900万円、『アラジン』(19年)は3日間で13億9600万円、『リトル・マーメイド』(23年)は3日間で7億1200万円となっている。
「これらに比べると『白雪姫』は大きく落ち込んでいることがわかります。特に、『アラジン』以降は成績が落ちていますから、ディズニープリンセスの実写映画としてのブランド力を回復させるための方策が必要なのかもしれません」(同)
今回のランキングではそのほか、高橋文哉と西野七瀬(元乃木坂46)がダブル主演を務める『少年と犬』が4位、米英合作のミステリー映画『教皇選挙』が7位、Koki,主演のラブコメディ2部作の前編となる『女神降臨 Before 高校デビュー編』が9位にそれぞれ初登場(いずれも3月20日公開)とサイゾーウーマンは報じている。
編集者:いまトピ編集部